島津フミヨ

島津フミヨ：日本の放射線医学を牽引した女性医学者

島津フミヨ（しまづ ふみよ、1902年11月9日 - 1967年12月31日）は、昭和時代に日本の放射線医学の発展に大きく貢献した女性医学者です。彼女は、栃木県喜連川町で熊倉弥五郎とソメの三女として生まれ、後に姫路の島津愛之と結婚しました。弟には同じく医学者の熊倉正弥がいます。

教育とキャリア

島津フミヨは、東京府立第一高等女学校を経て、東京女子医学専門学校（現在の東京女子医科大学）を卒業しました。卒業後、母校の病院でレントゲン科に入局し、放射線医学の道に進みます。1942年4月には、東京女子医学専門学校の放射線医学教室の初代教授に就任しました。これは、当時としては非常に画期的な出来事であり、女性が医学界で重要な役割を担う先駆けとなりました。

医学への貢献

島津フミヨの最も顕著な功績の一つは、1951年に梯子式連続撮影装置の試作に成功したことです。この装置は、心臓の動きを連続的に撮影することを可能にし、心臓外科手術の発展に大きく貢献しました。彼女の研究は、心臓病の診断と治療において、非常に重要な役割を果たしました。

著書

島津フミヨは、その生涯で複数の医学書を執筆しました。単著としては、『血管心臓造影法』（1955年、金原出版）があり、これは胸部レントゲン写真の読影に関する専門書です。また、三浦茂との共著として『血管心臓造影法』（1960年、南江堂）も発表しており、これらの著書は、当時の放射線医学の発展に大きく貢献しました。

参考文献

島津フミヨに関する参考文献としては、芳賀登ほか監修の『日本女性人名辞典』（日本図書センター、1993年）があり、彼女の生涯と業績について詳しく解説されています。

外部リンク

島津フミヨに関する情報は、コトバンクの以下のページでも確認できます。

島津フミヨ - コトバンク
島津 フミヨ - コトバンク

まとめ

島津フミヨは、昭和期の日本において放射線医学の分野で顕著な功績を残した女性医学者です。彼女の情熱と研究は、医学の発展に大きく貢献し、後進の女性医師たちの道を切り開きました。特に、梯子式連続撮影装置の開発は、心臓外科手術の進歩に不可欠なものであり、その影響は計り知れません。彼女の業績は、今後も語り継がれることでしょう。

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