島津久宝 (宮之城家)

島津久宝について

島津久宝（しまづ ひさたか）は、江戸時代後期に薩摩藩の有力一門であった宮之城島津家の第14代当主を務めた人物です。文化13年（1816年）に、宮之城領主であった島津久儔（ひさとも）の子として生まれました。宮之城島津家は、島津忠良の三男である尚久を始祖とし、代々「図書」を通称としていました。忠長以降は薩摩国宮之城を領し、久方の代に一所持、久倫の代には大身分となりました。家紋は宮之城十文字を用いています。

若くして家督を継承

文政10年（1827年）、父の久儔と兄の久中が相次いで亡くなったため、わずか12歳にして宮之城島津家の家督を相続することになりました。若くして当主となった久宝は、その後、藩政において重要な役割を担うことになります。

藩主の代理としての活動

天保4年（1833年）1月には、江戸高輪邸で8代藩主の島津重豪が亡くなった際、世子であった斉彬に代わって菩提寺の福昌寺にて代拝を務めました。これは、久宝が藩内において一定の地位を確立していたことを示すものであり、藩主からも信頼されていたことを物語っています。

養子を迎え入れる

嘉永5年（1852年）2月には、重富家島津忠教（久光）の次男である久治を婿養子として迎え入れました。この養子縁組は、宮之城島津家と重富島津家の関係をより強固なものにするためのものであったと考えられます。

突然の死

久宝は嘉永5年（1853年）12月5日に、38歳という若さでこの世を去りました。短い生涯ではありましたが、薩摩藩において重要な役割を担い、激動の時代を駆け抜けた人物であると言えるでしょう。

参考資料

* 長崎省吾関係文書 平田四郎兵衛〔他〕『宮之城島津家事績』 - 国立国会図書館デジタルコレクション

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