島津久暢

島津久暢（しまづ ひさのぶ）

島津久暢は、江戸時代中期に薩摩藩で活躍した武士で、日置島津家の10代目当主です。日置島津家は、島津宗家15代当主である島津貴久の三男、島津歳久を祖とする家系で、薩摩藩内でも特に重要な地位を占めていました。日置島津家は、薩摩国日置（現在の鹿児島県日置市日吉町日置）を領地とし、藩内での家格は一門に次ぐ大身分とされ、元服の際には藩主が烏帽子親となる特権を与えられていました。家紋は日置十文字を使用しており、明治時代には島津久明が男爵に叙せられ、華族に列しています。

生涯

久暢は、元文2年（1737年）6月20日に、日置島津家嫡男である久甫の次男として生まれました。幼少の頃から武士としての教育を受け、延享2年（1745年）10月1日には、鹿児島城に登城して元服しました。この時、世子島津宗信が烏帽子親となり、理髪役は国老である樺山久初が務め、島津又六郎久定と名乗りました。元服という通過儀礼を経て、正式に武士としての身分を得たのです。

寛延2年（1749年）には、父である久甫が亡くなったため、家督を相続し、日置島津家の当主となりました。宝暦11年（1761年）には家老に就任し、藩主である島津重豪に仕え、主席家老として藩政を支える重要な役割を担いました。しかし、明暦2年（1765年）には家老を退任しています。その後、安永3年（1774年）1月11日には隠居し、家督を久陳（久尹）に譲り、後進に道を譲りました。

久暢は、寛政10年（1798年）5月24日に生涯を閉じました。彼の生涯は、日置島津家の当主として、そして薩摩藩の家老として、藩政に尽力したものでした。

人物

久暢は、日置島津家の家格にふさわしい人物であり、藩主からの信頼も厚かったとされています。家老として藩政を支える一方で、自身の家系の発展にも寄与し、日置島津家の歴史に名を刻みました。その生涯は、薩摩藩の歴史においても重要な一ページを飾っています。

日置島津家について

日置島津家は、薩摩藩において一門に次ぐ格式を誇る家柄であり、藩主の烏帽子親を務めるなど、特別な地位を与えられていました。この家系は、島津歳久を祖とし、その後も薩摩藩の歴史において重要な役割を果たし続けました。明治時代には男爵に叙せられ、華族としての地位も確立しました。

まとめ

島津久暢は、日置島津家の10代目当主として、また薩摩藩の家老として、その生涯を藩政に捧げました。彼の足跡は、薩摩藩の歴史において重要な意味を持ち、後世に語り継がれるべきものです。

参考文献

島津久明 『島津家系譜』
島津金吾 『歳久の自害』
* 林匡 『薩摩藩家老の系譜』

もう一度検索