島津忠厚

島津忠厚（しまづ ただあつ）

生涯

島津忠厚は、今和泉島津家の第8代当主として知られています。天明2年（1782年）5月19日に誕生しました。彼の出自については、いくつかの記録が存在します。公式には、薩摩藩主であった島津重豪の三男として幕府に届け出られました。これは、次兄の奥平昌高が中津藩主を相続した翌年、かつ長兄の島津斉宣が薩摩藩主となった天明7年（1787年）6月のことでした。

しかし、詳細な記録を収めた「近秘野艸」によれば、忠厚は加治木島津久徴の子であるとされています。さらに、「鹿児島県史料集」に収録された『家譜』では、旗本であり佐土原藩分家の島之内島津家当主であった島津久般（式部少輔）の密子、つまり認知されていない秘密の子であるとされています。これらの異なる記録は、忠厚の出自に関する複雑な背景を示唆しています。

忠厚は、父の従兄弟にあたる島津忠温の跡を継ぎ、今和泉家の当主となりました。文化6年（1809年）には、重豪の孫である島津斉興が藩主に就任すると、その補佐役として後見を務めました。これは、藩政における重要な役割であり、忠厚の政治的な手腕が発揮された時期でした。

文政8年（1825年）、忠厚は隠居し、家督を忠喬に譲りました。そして、弘化4年（1847年）3月16日に66歳で亡くなりました。彼の生涯は、今和泉島津家当主としての責任と、薩摩藩における政治的な役割を担ったものだったと言えるでしょう。

参考文献

林匡「島津氏の縁組--島津氏の縁組. 重豪・斉宣・斉興を中心に」
「鹿児島県史料」『伊地知季安著作史料集六』
* 「鹿児島県史料集」『家譜』

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