島津忠朝 (豊州家)

島津忠朝は、文正元年（1466年）に島津氏の分家である豊州家の2代目当主・島津忠廉の息子として生まれました。幼名は二郎三郎、後に右馬介、そして豊後守を名乗ります。彼は父と同様に、京に上り、連歌師の肖柏や僧の真存から古今集の伝授を受けています。

延徳2年（1490年）、父・忠廉の死を受けて、忠朝は豊州家の3代目当主となりました。明応5年（1495年）、島津宗家11代当主・島津忠昌の家老である平田兼宗が反乱を起こすと、忠朝は鎮圧を命じられ、兼宗の居城である大隅岩弘城を攻略しました。この功績により、彼は大隅串良の領土を安堵されました。

天文元年（1532年）、忠朝は北郷忠相、北原久兼らと連合して、伊東氏の領地である三俣院高城を大軍で攻撃し、伊東軍に大きな被害を与えました。しかし、島津宗家内部で、薩州家の島津実久と相州家の島津忠良・貴久親子との間で家督を巡る争いが勃発すると、忠朝は両者の和睦を試みましたが失敗に終わりました。その後、彼は実久側につくことを決意します。

新納氏は実久からの誘いを拒否したため、天文7年（1538年）、忠朝は北郷氏らとともに新納氏を攻撃し、志布志城に迫って新納氏を追放しました。志布志を手に入れた忠朝はそこに移り住み、長男の忠広に飫肥を任せました。しかし、忠良・貴久親子が薩摩半島を掌握し、対立が深まる中で、忠朝は天文9年3月3日（1540年4月9日）に75歳で亡くなりました。彼の墓は、飫肥の安楽寺跡（現在の日南市板敷）と串間市北方の永徳寺にあります。

島津忠朝は、室町時代後期から戦国時代という激動の時代を生き抜いた武将であり、その生涯は島津氏の内紛に深く関わるものでした。彼は、武将としてだけでなく、文化人としての側面も持ち合わせていた人物でした。

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