島津忠紀 (垂水家)

島津忠紀（しまづ ただのり）

島津忠紀は、江戸時代前期の薩摩藩士で、大隅郡垂水（現在の鹿児島県垂水市）を領有した垂水島津家の6代目当主です。元和8年（1622年）8月2日に、薩摩藩主・島津家久（忠恒）の七男として誕生しました。母は島津忠清の娘で、島津義久の曾孫にあたります。幼名は万千代丸といい、同母兄には光久と北郷久直がいました。

生涯

寛永元年（1624年）、忠紀は幕府への証人として、母と兄の光久（又三郎）、久直（又十郎）とともに江戸に下りました。寛永7年（1630年）4月には、将軍・徳川家光が島津家の屋敷を訪問した際、父・家久や兄たちと共に拝謁しています。翌寛永8年（1631年）4月には、従五位下・玄蕃頭に叙任されました。

寛永10年（1633年）、当初垂水島津家の継嗣であった兄・久直が北郷家を相続することになったため、寛永11年（1634年）5月、忠紀が垂水島津家の後継者となりました。寛永14年（1637年）には、先代当主・久敏の父で、垂水で隠居していた久信が死去（毒殺説あり）。これに伴い、忠紀は垂水島津家の家督を相続しました。久信は、父・忠恒（家久）と島津宗家の家督を争った因縁の相手であり、久信の次男・久章を差し置いての相続でした。

正保4年（1647年）8月22日、忠紀は26歳という若さでこの世を去りました。

補足

島津忠紀は、幼少期から江戸で過ごし、幕府との関係も深かったと考えられます。また、垂水島津家の相続においては、複雑な背景があったことがうかがえます。若くして亡くなりましたが、その短い生涯の中で、藩政に一定の役割を果たしたと考えられています。

参考文献

* 『垂水市史』第1巻　垂水市史編集委員会、1973年

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