島津忠清

島津忠清：波乱に満ちた生涯と家族の物語

島津忠清（しまづ ただきよ）は、元亀2年（1571年）に生まれ、元和6年1月5日（1620年2月8日）に亡くなった、薩摩国島津氏の一族である武将です。通称は又助、官位は備前守でした。父は島津義虎、母は島津義久の娘である御平です。

生い立ちと小西行長との関係

忠清は島津義虎の三男として生まれました。しかし、文禄2年（1593年）に長兄の忠辰が豊臣秀吉の怒りを買い改易されたため、弟の重富、忠豊と共に小西行長に身柄を預けられることになります。そこで、行長の家臣である皆吉続能の娘・立野殿（洗礼名カタリナ、堅野カタリナ、永俊尼）と結婚し、長女と長男を授かりました。この妻は再婚で、連れ子の娘（妙）もいましたが、のちに喜入忠政の後室となっています。

関ヶ原の戦いと捕縛

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いで、小西行長は西軍についたため、戦後、熊本の加藤清正に領地を占拠されました。忠清らは加藤家に捕縛され、熊本に移送されましたが、祖父の島津義久と島津常久が加藤家と交渉した結果、慶長14年（1609年）12月3日に2人の子供と共に薩摩に戻ることができました。

薩摩帰還後の家族の隆盛

薩摩に戻った後、長男は新納久元の後継となり新納忠影と名乗り、一族の繁栄に貢献しました。長女は島津家久の側室となり、薩摩藩2代藩主・島津光久、北郷久直、島津忠紀らを生み、家族の地位を向上させました。しかし、忠清自身は元和6年（1620年）に病没し、冷水町の興国寺に葬られました。法名は如岳院節翁玄忠大禅定門です。忠影以外に男子がいなかったため、跡目は忠影の孫の新納久珍の次男である新納久基が継ぎました。

キリシタンの妻カタリナの流刑

忠清の妻であるカタリナは熱心なキリシタンであり、領内で禁教にもかかわらず多くの信徒を保護していました。そのため、藩から度々注意を受けていました。忠清の死後、寛永10年（1633年）には種子島大長野に流刑となり、閉門蟄居として種子島忠時の監視下に置かれました。寛永16年（1639年）には伊勢貞昌を通して法華宗に宗旨替えをしたと届け出ましたが、表面的な棄教とみなされ認められませんでした。同年に連れ子の娘（喜入忠政室）およびその娘（基多村久智（島津久茂）室および御鶴）も同島に流罪となっています。慶安2年（1649年）に死去しましたが、流刑とはいえ藩主の血縁であったため、粗末には扱われず、時折の音信もあり、死去時は孫で藩主の島津光久からの使者が香典を奉納しています。法号は成等院妙正大姉です。

系譜

父：島津義虎
母：島津御平（島津義久の娘）
妻：立野殿（カタリナ、永俊尼。皆吉続能の娘）
長男：新納忠影（新納久元の養子）
長女：島津家久側室
養子：新納久基（新納久珍の次男）

参考文献

* 『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）

島津忠清は、激動の時代を生き抜いた武将であり、その生涯は家族とともに多くの波乱に満ちていました。彼の人生と、その家族の物語は、現代にも多くの教訓を与えてくれます。

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