島津興業

株式会社島津興業：歴史と文化を紡ぐ企業

株式会社島津興業は、鹿児島県鹿児島市の地に根付き、観光事業や地域開発事業を展開する企業です。その歴史は、1851年、島津斉彬の殖産興業政策による反射炉雛形建設にまで遡ります。その後、1922年に薩摩興業株式会社として設立され、1951年に現在の社名に変更。2008年にはグループ再編を行い、薩摩焼や薩摩切子関連の子会社を吸収合併するなど、企業規模の拡大と事業の多角化を進めてきました。

歴史的建造物の保存と活用

同社は、数々の歴史的建造物を所有・管理しています。その代表的なものが、国指定名勝の仙巌園です。第19代当主・島津光久によって造園されたこの庭園は、雄大な自然と歴史的建造物が調和した美しい空間として多くの人々を魅了しています。

また、国指定重要文化財であり、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもある尚古集成館も同社の管理下にあります。第28代当主・島津斉彬による集成館事業の一環として建造されたこの施設は、製鉄、造船、紡績などの機械工場として機能していました。現在は、当時の史料や薩摩切子、薩摩焼などを展示する博物館として活用され、歴史と技術の粋を集めた貴重な遺産を後世に伝えています。

さらに、国の登録有形文化財である旧島津家芹ヶ野金山鉱業事業所は、2017年にスターバックス鹿児島仙巌園店として生まれ変わり、歴史的建造物と現代的な商業施設の融合という新たな魅力を生み出しています。

かつては野天風呂 薩摩いろはの湯も運営していましたが、2018年9月に営業を終了しています。

多様な事業展開

島津興業は、観光事業のみに留まらず、多様な事業を展開しています。グループ会社である株式会社島津建設は建設業を担い、島津リテールサービス株式会社はコンビニエンスストアを運営しています。また、再生可能エネルギー分野にも進出し、南九州クリーンエネルギー株式会社は牟礼ヶ岡ウインドファームの運営を行っています。これらの事業を通じて、地域社会への貢献を積極的に行っています。

まとめ

株式会社島津興業は、薩摩藩の歴史と文化を背景に、観光事業、地域開発事業、そして再生可能エネルギー事業など、多様な事業を展開する企業です。歴史的建造物の保存と活用、地域社会への貢献を両立させながら、未来に向けて持続可能な発展を目指しています。その活動は、単なる企業活動にとどまらず、地域社会全体の活性化に大きく寄与していると言えるでしょう。 島津興業の今後の取り組みにも注目が集まります。

もう一度検索