島越駅

島越駅（しまのこしえき）

島越駅は、岩手県下閉伊郡田野畑村にある、三陸鉄道リアス線の駅です。この駅は、宮沢賢治の童話『グスコーブドリの伝記』の舞台、カルボナード火山島に由来し、愛称として「カルボナード」とも呼ばれています。

歴史

1984年4月1日に三陸鉄道の北リアス線の駅として開業しました。駅舎は田野畑村によって建てられ、オープン当初から簡易委託駅として運営されています。駅舎は南ヨーロッパ風の美しいデザインで、八角形のドームと青い屋根が特徴です。1階には出札窓口と売店、2階にはカフェがあり、多くの観光客と鉄道ファンに親しまれてきました。

しかし、2011年の東北地方太平洋沖地震によって大きな被害を受け、駅舎やホーム、高架線路が津波に流されてしまいました。震度は4でしたが、実際の津波の影響は大きく、駅周辺の交通機関は田野畑村営バスの限られた運行のみとなり、非常にアクセスが難しい状態になりました。

その後、2013年には流失した駅舎の再建が始まり、2014年4月には小本駅と田野畑駅間の線路が復旧し営業を再開しましたが、駅舎自体は未完成のままでした。同年7月27日には新しい駅舎が使用開始となりました。

駅構造

島越駅は、1面1線の単式ホームを持つ簡易委託駅です。新駅舎は松前川の北側に築堤として移設され、周辺の駅前広場は2016年に完成しました。駅舎は八角形のデザインを受け継いでおり、中央には改札口があります。改札を挟み、北側には待合室や展示室、南側にはきっぷ売場、駅務室、売店、飲食スペースがあります。さらに、塔屋にはスパイラル階段が設置されていて、2階には展望台が用意されており、訪れる人々が景色を楽しむことができます。

この駅舎の再建には、クウェート政府からの支援がありました。また、震災前の高架構造は、津波防波堤を兼ねた築堤に変更されています。

利用状況

島越駅の日々の利用状況は、乗降人員の数に表れています。特に観光シーズンには多くの訪問者が集まり、地元の魅力を感じることができます。

駅周辺

かつての駅舎の前には、津波に流されなかった宮沢賢治の詩碑や駅に向かうための階段が震災の記念として保存されています。駅の近くには、島越漁港や島越海水浴場、地元の郵便局もあり、散策することができます。

また、2002年には「お洒落な南欧風の駅舎」として東北の駅百選に選出され、2013年のNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」では、津波によって流されるシーンがこの駅周辺で撮影されるなど、地域の顔となっています。

隣の駅

• - 岩泉小本駅
• - 田野畑駅

島越駅は、地域の文化や自然を感じることができる特別な場所であり、観光客や地元の人々にとっても大切な拠点となっています。これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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