田野畑村営バス

田野畑村営バス

田野畑村営バスは、岩手県下閉伊郡田野畑村が運行するコミュニティバスおよび乗合タクシーです。村内の運輸事業者に運行を委託しており、地域住民の生活を支える重要な交通手段となっています。

概要

現在の田野畑村営バスの体系は、2010年（平成22年）に再編されたものです。小学校や中学校のスクールバスとしての側面も持ち、村内の一部路線は無料で運行されています。以前は距離制運賃の村民バスが複数路線で運行されていましたが、路線の複雑さや便数の少なさから利便性に課題がありました。そのため、村内バスの運行方法を見直し、コミュニティバスやデマンド方式の乗合タクシーなど、地域の実情に即した公共交通体系へと再編されました。

歴史

かつて村内交通は、国鉄バスが中心でした。三陸鉄道北リアス線の開通や国鉄バスの合理化に伴い、村内のバス路線は民営化後数年で全廃されました。

1986年（昭和61年）：国鉄バスの合理化により、一部路線が廃止され、民間に廃止代替バス（21条バス）の運行が委託されました。
1992年（平成4年）：JRバス東北が完全撤退し、村が直営で村民バス（80条バス）の運行を開始しました。一部地域では、村民バスと民間の廃止代替バスが競合するようになりました。
2002年（平成14年）：民間路線バスを村民バスへ一本化し、村内事業者に運行を委託しました。
2010年（平成22年）：村民バスを総合バス、デマンド式乗合タクシー、観光乗合タクシーに再編しました。
2018年（平成30年）：総合バス全路線の運賃が無料化されました。また、委託先が東日本交通に変更されました。

総合バス

「タノくんバス」の愛称で親しまれており、村内5方面へ運行しています。スクールバスとしての機能も兼ねており、村内の移動は基本的に無料です。以前は、岩泉町方面や普代村方面への村外路線は有料でしたが、2018年4月の改正により全路線が無料となりました。

主な路線

北山・羅賀方面：平日運行。北山、机浜、田野畑駅、診療所、田野畑小/西和野、高校前、田野畑中などを経由します。
島越方面：平日運行。診療所、田野畑小、高校前、和野、島越駅、中松前沢、島ノ沢口、切牛などを結びます。
浜岩泉方面：平日運行。診療所、田野畑小、高校前、十文字、思惟大橋、浜岩泉、大芦、猿山、目名、年呂部などを経由します。
千丈・七滝方面：平日運行。診療所、田野畑小、西和野、高校前、十文字、七滝、大谷地、室場、千丈などを結びます。
沼袋方面：平日運行。田野畑中、西和野、田野畑小、一ノ渡、沼袋、甲地、細沢、三沢などを結びます。
普代駅方面：火・木曜日運行。普代駅、落合、巣合、一ノ渡などを経由します（予約が必要）。
岩泉町方面：月・水・金曜日運行。思惟大橋、十文字、高校前、西和野、役場、姫松、一ノ渡、沼袋、甲地、細沢、三沢、千丈、室場、夏節、龍泉洞、岩泉三本松、岩泉病院、岩泉消防署前などを結びます。

乗合タクシー

総合バスの停留所から自宅が遠い、利用者が少ないなどの問題を解決するため、村が運行を委託し、有料で乗合タクシーを運行しています。運行時間はバスと同様に決まっています。

くるもん号：事前に予約することで、指定した場所まで迎えに来てくれるエリアデマンド方式です。地域によって運行日が異なります。
観光乗合タクシー：観光客向けに、田野畑駅から観光地へのアクセスとして、三陸鉄道のダイヤに合わせて運行しています。復路の利用は予約が必要です。
机浜・北山崎コース：北山崎まで大人800円、所要時間30分。
鵜の巣断崖コース：鵜の巣断崖まで大人1500円、所要時間30分。

参考文献

「田野畑村地域公共交通総合連携計画」 田野畑村 平成21年3月
「平成19年度田野畑村総合公共交通体系の調査検討業務報告書」 NPOいわて地域づくり支援センター 平成20年3月

関連項目

陸中海岸線
日本のコミュニティバス一覧

外部リンク

* 田野畑村の公共交通と観光交通

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