崔竜海

崔龍海（チェ・リョンヘ）

崔龍海（チェ・リョンヘ、新字体: 崔竜海、1950年1月15日 - ）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の政治家、軍人です。朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、同党中央軍事委員会委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会第1副委員長、最高人民会議常任委員会委員長などの要職を歴任しています。

生い立ちと初期のキャリア

1950年、黄海南道信川郡に生まれた崔龍海は、金日成主席と共に抗日パルチザンとして活動した崔賢を父に持ちます。1967年に朝鮮人民軍に入隊後、金日成総合大学で政治経済学を学びました。その後は軍人としてよりも党官僚として頭角を現し、金日成社会主義青年同盟委員長や黄海北道党責任書記などを務めました。

金正日時代

一時期、不正行為が発覚し降格処分を受けましたが、2010年には党中央の要職に復帰し、金正恩総書記の後継体制において重要な役割を担うと目されました。

金正恩体制下での昇格と降格

金正恩体制の発足後、崔龍海は急速に昇進し、2012年には人民軍総政治局長に就任、次帥の称号を得て、党内序列3位にまで上り詰めました。しかし、その後も失脚と復帰を繰り返します。張成沢粛清に関与したとの報道や、白頭山英雄青年発電所の建設問題、青年政策をめぐる金正恩との対立などが原因として指摘されています。

2014年には一時的に降格されましたが、同年10月には党内序列を回復し、政治局常務委員に再任されました。その後も金正恩の特使としてロシアを訪問するなど、重要な外交任務を担いました。

ナンバー2としての地位確立

2016年の朝鮮労働党第7回党大会で、党中央委員会政治局常務委員に選出され、党中央委員会副委員長にも選ばれました。さらに、国務委員会副委員長にも選出され、名実ともにナンバー2としての地位を確立しました。

2019年4月には、最高人民会議常任委員会委員長に選出され、国務委員会第1副委員長にも選ばれ、序列第2位の地位を固めました。これらの選出に伴い、党中央委員会副委員長と党組織指導部長の職からは退任したとみられています。

近年の動向

2021年1月の朝鮮労働党第8次大会で中央委員会委員に再選され、党中央委員会政治局常務委員にも選出されています。

崔龍海は、金正恩体制において重要な役割を担い続けており、今後の動向が注目されています。

人権侵害への関与

2018年12月、アメリカ合衆国財務省は、崔龍海を人権侵害に関与したとして制裁対象に指定しました。

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