川上町 (鹿児島市)

鹿児島市川上町の詳細

川上町（かわかみちょう）は、鹿児島県鹿児島市の北部に位置する町です。旧薩摩国鹿児島郡に属し、古くは川上村として知られていました。2020年10月1日現在の人口は4,487人、世帯数は1,934世帯です。この地域は、自然と歴史、そして現代的な生活が調和した場所です。

地理

川上町は、稲荷川流域に位置し、北西部には小規模な盆地が広がっています。周辺地域との境界は、北に宮之浦町、北西から西にかけて岡之原町、南から東にかけて吉野町、南に下田町、西には西伊敷と緑ケ丘町があります。

町域の東部には吉野台地が広がり、鹿児島県道16号鹿児島吉田線が南北に縦断しています。この道路沿いでは、1992年から始まった吉野地区土地区画整理事業により、道路の拡張とともに商業施設が建設され、交通量が増加しました。西部には、鹿児島県道25号鹿児島蒲生線と九州自動車道が通っています。

主な河川としては、稲荷川、花棚川、西牟田川が流れています。

歴史

前史時代

川上町では、加栗山遺跡と加治屋園遺跡という重要な遺跡が発見されています。

加栗山遺跡：縄文時代から中世にかけての複合遺跡で、大規模な竪穴建物跡や土器、中世の山城の遺構が見つかっています。しかし、九州自動車道の建設に伴い、遺跡の一部は移設され、大部分が道路用地となりました。
加治屋園遺跡：旧[[石器時代]]から中世までの遺跡で、土器や石器が発見されました。こちらも、九州自動車道の建設によって発掘調査が行われました。

中世

「河上」という地名は室町時代から見られ、この地は薩摩国鹿児島郡に属していました。島津氏の一族である川上親久がこの地に封じられ、川上氏を名乗りました。中世には、加栗山に川上氏の居城がありましたが、1535年には島津氏の攻撃を受けました。

近世

江戸時代の川上村は、鹿児島近在の「遠名」として扱われていました。村では米、麦、アワなどが栽培されていました。一時、花棚村が分村しましたが、後に再び川上村に編入されました。明治時代には、小学校が設置され、地域教育の基礎が築かれました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、川上村は吉野村の一部となり、大字「川上」となりました。1934年には吉野村が鹿児島市に編入され、大字川上は「川上町」となりました。1977年には伊敷団地地区で住居表示が実施され、町域が再編されました。2015年には吉野地区で住居表示が実施され、一部区域が吉野一丁目、吉野二丁目となりました。

文化財

川上町には、県指定の民俗有形文化財である「鹿児島市川上町の田の神」があります。

施設

公共施設としては、鹿児島市川上福祉館や鹿児島市営川上墓園があります。教育機関としては、鹿児島市立川上小学校や川上幼稚園があります。また、鹿児島川上郵便局も地域を支える重要な施設です。

寺社

川上天満宮、本願寺鹿児島別院川上出張所、日枝神社が地域住民の信仰を集めています。

教育

川上町の小中学校の学区は以下の通りです。

小学校: 鹿児島市立川上小学校
中学校: 鹿児島市立吉野中学校

交通

交通インフラも整備されており、九州自動車道、鹿児島県道16号鹿児島吉田線、鹿児島県道25号鹿児島蒲生線などが町内を通っています。

高速道路: 九州自動車道（鹿児島本線料金所）
主要地方道: 鹿児島県道16号鹿児島吉田線、鹿児島県道25号鹿児島蒲生線
* 一般県道: 鹿児島県道220号寺山公園線

著名な出身者

川上町出身の著名人には、薩摩藩士で官僚の高崎五六、志士で歌人の高崎正風、官僚の福元岩吉がいます。

川上町は、歴史と自然が豊かに残る地域であり、これからも発展していくことが期待されます。

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