川元義徳

川元 義徳（かわもと よしのり）

川元 義徳は、日本のゲームミュージック作曲家であり、ゲームクリエイターとしても活動している人物です。「かわげん（Kawagen）」といった別名義でも知られ、主にバンダイナムコエンターテインメント（旧ナムコ）で長年にわたりゲームサウンド制作に携わっています。80年代後半からナムコに在籍し、数多くの作品にその名を刻んできました。

ナムコへ入社する以前、川元氏は日本ソフトバンクに勤務しており、パソコン雑誌『Oh!FM』に音楽プログラムに関する記事を寄稿するなど、音楽とプログラミングの両面に精通していました。この経験を活かし、パソコンゲーム、例えばFM77AV向けの『少年マイクのひとり旅』などでサウンドを担当しています。その後、ジャレコにアルバイトとして関わり、『エクセライザー』や『銀河任侠伝』といったタイトルのBGMを手がけました。

満を持してナムコに入社してからは、アーケードゲームのサウンドクリエイターとして頭角を現します。ホラーアクションの傑作として知られる『スプラッターハウス』や、シューティングゲームの快作『バーニングフォース』など、黎明期の人気アーケードゲームの音楽を担当し、その存在感を示しました。アーケードでの実績を積んだ後は、家庭用ゲーム機の隆盛に伴い、活動の中心を家庭用ゲームソフトへと移していきます。これにより、今日に至るまで極めて多岐にわたるナムコ作品のサウンド制作に携わり、ゲーム音楽の世界に貢献し続けています。

キャリアの中には、一時的にサウンド制作の最前線から離れ、開発サポートといった別の役割を担った時期もありましたが、ゲーム音楽への情熱が再び彼を創作の場へと呼び戻しました。2013年頃からは「カワーゲン・コラーゲン」というユニークな名義を用いて、人気音楽ゲームシリーズ『太鼓の達人』の楽曲制作に参加し、作曲家としての活動を本格的に再開しました。この復帰により、彼の音楽は新たなファン層にも届けられています。

川元氏がサウンド制作に関わった作品は非常に幅広く、初期の8ビットパソコンから最新の家庭用ゲーム機、アーケードまで多岐にわたります。その一部を以下に挙げます。

8ビットPC用ゲーム
リングの上は大さわぎ (FM-7)
ぐっちゃんばんく (FM-7, PC-8801 ※キャラクターデザインも担当)
少年マイクのひとり旅 (FM77AV)

アーケード・家庭用ゲーム
エクセライザー
銀河任侠伝
スプラッターハウス
バーニングフォース
フェイスオフ
フェリオス
レッスルボール
ドラゴンスピリット (PCE版編曲)
ワギャンランド3
スーパーファミスタシリーズ
ボールジャックス
幽☆遊☆白書
スーパーファミリーテニス
ワギャンパラダイス
ファミスタ64
リベログランデ (1曲)
リッジレーサーV (1曲)
7 ～モールモースの騎兵隊～
ことばのパズルもじぴったんアドバンス
ミスタードリラー2
ミスタードリラーエース ふしぎなパクテリア
クロノアビーチバレー 最強チーム決定戦!
クロノアヒーローズ 伝説のスターメダル
Break Down
美的革命2
スターフォックス アサルト
パックピクス
パックンロール
爽解！まちがいミュージアム
眼力トレーニング
トレジャーガウスト ガウストダイバー
ファミスタDS
太鼓の達人シリーズ
KORG Gadget (デモ曲)
鉄拳7
* 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

パソコン時代のプログラミング知識に根差したサウンド制作から、アーケードや家庭用ゲーム機における表現力の追求、そして近年の作品における新たな挑戦に至るまで、川元義徳氏のキャリアはゲーム音楽の進化と共に歩んできた軌跡と言えるでしょう。彼の創り出すサウンドは、多くのゲーマーの記憶に深く刻まれています。

外部情報として、X（旧Twitter）にて@kawagenのアカウント名で情報発信を行っています。

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