川内市民歌

川内市民歌について

川内市民歌（せんだいしみんか）は、昭和22年、1947年に鹿児島県の川内市で制定された市民歌です。この歌は、戦後の復興を象徴する重要な楽曲として位置づけられています。作詞を手がけたのは芳賀武（本名：難波春水）で、作曲は山田耕筰によるものでした。市民歌は、市民の結束や誇りを感じさせる力強い歌詞とメロディを持っていました。

制定の経緯

川内市民歌は、1947年に日高又志市長の提案により開催された「復興音楽祭」に合わせて、歌詞の懸賞募集が行われたことが契機でした。この音楽祭では、市民歌と市民音頭、新民謡の3つの部門で作品を募集し、同年の9月に選ばれた作品が発表されました。入選した芳賀武は、もともと日報紙での歌詞の懸賞募集に入賞した経験があり、さらに大阪府の高槻市歌や広島県の三原市歌でも入選作があったことから、その評価は高まりました。残念ながら、彼は発表演奏の翌月に亡くなっています。

音楽祭とその後

市民歌の作曲を依頼された山田耕筰は、翌年の1948年に「鹿児島県民の歌」を手掛けており、楽曲には特別な意味が込められていました。川内市民歌の歌詞や楽譜は、昭和25年の『川内市勢要覧』に掲載されましたが、制定から30年が経つ1980年ころには演奏の機会が次第に減少していきました。

このような経緯から、1980年に市制40周年を祝う形で藤山一郎が歌唱したシングル盤が製造されました。歌の著作権はすでに満了し、現在ではパブリックドメインにあるため、誰でも自由に利用することが可能です。

廃止と新市民歌の制定

2004年には川内市と周辺の町村が合併し、薩摩川内市が設立されました。この大合併に際して、川内市民歌を含む他の町村民歌も「新市に移行後に速やかに制定する」という方針のもとで廃止されることとなりました。具体的には、樋脇町民歌、入来町民歌、東郷町民歌、祁答院町民歌、里村民歌、上甑村民歌、下甑村民歌があり、これらは全て合併の影響を受けたのです。

そして、2009年に新市民歌「輝け 未来へ」が正式に制定されました。この新たな楽曲は、作詞が星合節子、作曲が吉俣良によるもので、新しい市民の心をくすぐるメッセージを持っています。

参考文献

• - 『川内市勢要覧』昭和25年版（1950年）
• - 『日本の歴代市長 市制施行百年の歩み』第3巻（歴代知事編纂会、1985年）

川内市民歌は、その歴史とともに川内市の文化及び市民の絆を象徴する存在でした。今後もその精神が新市民歌に受け継がれていくことでしょう。

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