川崎巳三郎

川崎 巳三郎について

川崎 巳三郎（かわさき みさぶろう）は、1905年11月29日生まれで、1982年12月2日に亡くなった日本の著名な評論家である。彼はペンネームとして河本 勝男を使用していた。千葉県東金市で育った彼の人生とキャリアは、マルクス経済学への深い傾倒、そして社会運動との関わりによって形作られている。

学歴と初期の経歴

川崎は、1931年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業した。大学では、特にマルクス経済学に興味を持ち、大塚金之助のもとで学んだ。この学びは彼のその後の思想や著作に大きな影響を与えることになる。卒業後、彼は企画院の嘱託職を経て、満州鉄道（満鉄）の調査部に参加した。満鉄調査部における彼の活動は、当時の社会情勢と深く関わっており、特に彼は石堂清倫、中西功、野々村一雄といった他の活動家たちとともに満鉄調査部事件で検挙されるという経験を持つ。

政治活動と思想

川崎は、左翼政治運動にも積極的に関与していた。日本共産党では自治体部副部長を務め、またプロレタリア科学研究所の常任中央委員としても活動した。彼の意見や思想は、当時の日本における社会主義的な運動に強く影響を与え、多くの支持者を集めた。彼の評論や著作は、政治的、経済的な視点からの社会批評を通じて多くの人々に訴えかけた。

主な著書

川崎は、多くの著作を残している。中でも彼の代表作には以下のようなものがある。

• - 『戦後経済の基本問題』（改造社、1948年）
• - 『戦後経済危機の発展過程』（研進社、1948年）
• - 『恐慌』（岩波書店、1949年）
• - 『関寛斎 : 蘭方医から開拓の父へ』（新日本出版社、1980年）
• - 『インフレーション理論に関する若干の文献について』（はるかぜ書房、2016年）

これらの著作を通じて、川崎は戦後の日本経済や社会問題に関する深い洞察を提供しており、経済学の専門家の視点から時代の課題を論じている。

翻訳活動

また彼は、翻訳者としても活動しており、主な翻訳作品として以下のものが挙げられる。

• - 『現代の信用及び信用組織』（トラハテンベルグ、叢文閣、1934年）
• - 『財政・租税・公債 : マルクス記念論文集』（レニングラード財政=経済研究所編著、平館利雄共訳、叢文閣、1935年）

これらの翻訳を通じて、彼は国内外の経済理論に対する理解を深めることに貢献し、日本の学術界における重要な一助となった。

最後の年

1982年に亡くなるまで、川崎は日本の社会や経済について深く考察し続けた。彼の業績は、今日でも評価され続けており、その思想や作品は、時代を超えたバリューを持っている。

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