左門岳

左門岳（さもんだけ）

左門岳は、福井県と岐阜県の県境に位置する両白[[山地]]の南部に属する山で、越美山地を形成する山の一つです。近隣には平家岳や日永岳などの山々が連なります。

地理

左門岳の東側は、関市板取を流れる板取川の源流となっており、西側は根尾東谷川の源流となっています。これらの川は最終的に伊勢湾へと流れ込みます。また、登山口手前には揚水発電所の下池である上大須ダムがあります。

水の流れ

左門岳に降った雨は、一部が板取川から長良川、そして揖斐川へと合流し、伊勢湾に注ぎます。また、別の雨水は根尾東谷川から根尾川、揖斐川を経て長良川と合流し、同じく伊勢湾に流れ込みます。

名称の由来

地元では、山の所有者が太左衛門であったことから「左門岳」と名付けられたという説が有力です。一方、福井県側には異説があり、かつては板取村、越田土、越波の三つの村の山として「三村岳」と呼ばれていたが、明治時代に陸地測量部の案内をした村人の発音が不明瞭だったため、「三門岳」となり、それが後に「左門岳」に転じたとされています。

登山

登山シーズンと注意点

左門岳の登山道は沢沿いにあり、梅雨時期や台風後は入山が困難になります。また、夏期はヤブが深く見晴らしが悪いため、登山には適していません。登山に適しているのは、春先から梅雨入り前（4月、5月）と、台風シーズン後の晩秋（10月、11月）です。岐阜県でも有数の豪雪地帯であるため、冬期の登山は避けるべきです。上大須ダム周辺の周遊道は、一部土砂崩れのため通行止めとなっています。落石にも注意が必要です。

登山ルート

上大須ダムの駐車場からスタートし、ダムを渡って遊歩道を進むと、根尾東口の駐車場広場に到着します。そこから丸太の橋を渡り、左岸沿いに進むと、資材運搬用のモノレール跡が見えます。登山道は、モノレールとは反対側の沢沿いに続いており、「左門岳左の谷」と書かれた場所で沢を渡り、数回渡り返しながら登ります。途中にはロープが張られている危険な場所もあるため、注意が必要です。ヘルメットが置かれた場所を過ぎ、最後の沢を渡ると尾根に出ます。尾根道は草が生い茂っており、山頂からの眺望は期待できません。

アクセス

東海北陸自動車道美濃インターチェンジから国道418号線に入り、根尾東板谷で岐阜県道255号線に入ると上大須ダムに到着します。ダム周辺は道幅が狭く、落石に注意が必要です。

地質

左門岳周辺は、花崗閃緑岩や流紋岩などの深成岩や噴出岩で形成されています。また、古生代二畳紀の「左門岳累層」に分類される地層も見られます。この累層は、大河原互層、魚坂峠砂岩層、久沢粘板岩層、迫谷砂岩層に区分されます。

左門岳累層

左門岳累層は、かつて中生代ジュラ紀から白亜紀の地層と考えられていましたが、その後の研究で古生代二畳紀中期から後期のものと推定されています。この地層からは、輝緑凝灰岩や結晶質石灰岩、チャートなどが発見されています。

地理的特徴

左門岳を含む美濃越前山地は、急峻な地形をしていますが、高度は1000メートル内外の山々が多く、左門岳もその一つです。上大須ダムが建設されるまでは、谷を遡り藪を漕いで登る必要がありましたが、現在では登山道が整備されています。深田久弥が選定した「日本百名山」のような名山とは評価されていません。

周辺の山

平家岳
日永岳

源流の河川

板取川（長良川の支流）
根尾東谷川（根尾川の支流）

参考文献

根尾村『根尾村村史』（初）根尾村、1980年8月31日。
ぎふ百山を登る会『ぎふ百山を登る』（初）ぎふ百山を登る会、2006年1月11日。ISBN 4-87797-105-X。
山葵会『奥美濃』（初）山葵会、1975年5月3日。
安藤忠夫『奥美濃がたり』（初）安藤忠夫、2002年5月15日。
島田靖　堀居啓介『岐阜県の山　新・分県登山ガイド20』（初）山と渓谷社、2005年11月15日。ISBN 4-635-02320-6。
日本山岳会 東海支部『東海・北陸の200秀山』（初）中日新聞社、2009年10月20日。ISBN 978-4-8062-0598-2。

関連項目

両白[[山地]]
ぎふ百山
長良川
板取川
根尾川

外部リンク

本巣市役所公式ホームページ

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