巨勢苗麻呂

巨勢苗麻呂の人物像と経歴

巨勢苗麻呂（こせ の なえまろ）は、奈良時代に活躍した貴族であり、その官位は従四位下・左中弁にまで昇進しました。彼は、参議を務めた巨勢堺麻呂の子として生まれ育ち、貴族階級の一員として多くの役割を果たしました。

経歴の概要

苗麻呂は天平宝字元年（757年）に発生した橘奈良麻呂の乱において、賀茂角足らの招待を受け、武勇に秀でた者たちとともに屋敷で盛大な酒宴を開きました。この宴では、自らが反乱側に回らないようにするための抗生が行われました。このような出来事を経て、彼はその後政治に関わるようになります。

称徳朝の神護景雲元年（767年）には従五位下の地位を授かり、少納言に任官されます。しかし翌年には、地方官の駿河守へと職を移しました。これにより、彼は中央政治から地方政務へと活動の場を広げていきました。

その後、宝亀7年（776年）には従五位上に昇進し、宝亀10年（779年）には正五位下、延暦2年（783年）にはさらに正五位上及び左中弁に叙任されました。彼の官職の変遷は、光仁朝後半から桓武朝初頭にかけて順調に進展したことを示しています。この期間に信濃守および河内守としても地方官を歴任しましたが、延暦5年（786年）には左中弁の職に戻りました。

苗麻呂は、延暦6年（787年）に閏5月27日に他界しました。彼の最終的な官位は左中弁兼河内守の従四位下であり、彼の政治家としての活動を物語るものでした。

官歴の詳細

苗麻呂の官歴は以下の通りで、彼の昇進を示す記録が残されています。時期不詳では正六位上の官位を持つことが知られています。

• - 神護景雲元年（767年）: 1月18日に従五位下、3月20日に少納言。
• - 神護景雲2年（768年）: 7月1日に駿河守。
• - 宝亀7年（776年）: 1月7日に従五位上。
• - 宝亀10年（779年）: 1月23日に正五位下。
• - 延暦元年（782年）: 2月7日に兵部大輔。
• - 延暦2年（783年）: 1月16日に正五位上、5月15日に左中弁。
• - 延暦3年（784年）: 4月30日に信濃守。
• - 延暦4年（785年）: 1月15日に河内守。
• - 延暦5年（786年）: 8月8日に左中弁、河内守のまま就任。
• - 延暦6年（787年）: 閏5月27日に卒去。最終的な官位は左中弁兼河内守の従四位下です。

家系と子孫

巨勢苗麻呂の父は巨勢堺麻呂であり、彼の母についての詳細は不明です。しかし、彼には長男として巨勢野足（749年-817年）がいます。野足は父の名声を引き継ぎ、奈良時代での家系の地位を確立しました。

まとめ

巨勢苗麻呂は、その生涯を通じて奈良時代日本の政治に多大な影響を与えた人物です。彼の官歴や家族背景は、当時の貴族社会の動向を垣間見る手がかりともなります。このように、苗麻呂の人物像は、歴史の中で重要な位置を占めていることを記しておきたいと思います。

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