巨礫

巨礫（きょれき）とは

巨礫（きょれき、英語: boulder）とは、地質学において、堆積物や堆積岩を構成する礫のうち、粒径が256mm以上のものを指します。これは、礫のサイズによる分類において、最も大きな区分にあたります。

巨礫の成因と特徴

巨礫は、その大きさから、運搬や堆積の過程において特別な条件を必要とします。一般的に、堆積構造の中では最も下層に位置することが多く、特に、堆積構造の基盤が火成岩や変成岩である場合、それらの一部が風化・ разрушение されて堆積した基底礫岩に多く見られます。また、砂岩中にも観察されることがありますが、泥岩中に見られることは稀です。

運搬と堆積

巨礫を水流によって運搬するには、非常に大きな流速が必要です。しかし、一旦運搬が開始されても、流速が減少するとすぐに停止してしまうため、巨礫は、大洪水や鉄砲水のような、特別な状況下でのみ運搬されることが多いです。また、土砂崩れ、山体崩壊、火砕流なども、巨礫の生成と運搬に関与します。

日本の有名な巨礫

日本には、その巨大さで知られる巨礫がいくつか存在します。中でも有名なのは、石川県白山市にある「百万貫岩」です。この巨礫は、高さ約16m、周長約52mという巨大なもので、自然の力強さを感じさせます。

まとめ

巨礫は、その大きさゆえに、地質学的なプロセスの理解に重要な手がかりを与えてくれます。その成因、運搬、堆積の過程を調べることで、過去の地球環境や地殻変動について知ることができます。

参考文献

周藤賢治、小山内康人『記載岩石学 : 岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。 ISBN 4-320-04639-0。

関連項目

堆積物
砕屑物
礫
堆積岩
砕屑岩
* 礫岩

もう一度検索