帛紗

帛紗（ふくさ）について

帛紗は、主に茶道で使用される布で、茶器を扱う際に用いられます。服紗、袱紗とも表記されます。素材は主に絹が用いられますが、煎[[茶]]道では木綿のものが使われることもあります。

概要

一般的に、帛紗には紫色の塩瀬が用いられます。女性は、口紅などの汚れが目立たないように緋色のものを使うこともあります。裏千家では、ぼかし染めや友禅染めの帛紗も用いられます。

大きさは、幅が約27cm、長さが約30cmのものと、幅が約29cm、長さが約45cmのものがあります。

茶道における帛紗の扱い

帛紗は、茶入、棗、茶杓などを拭く際に使用します。また、釜の蓋を取る際にも用いられます。点茶においては欠かせない道具であり、その扱い方は「帛紗さばき」と呼ばれます。帛紗さばきは複雑な作法を伴い、茶道における重要な所作の一つです。

帛紗さばきの例

1. 点者は、茶席に入る前に帛紗を三角形に折りたたみます。男性は帯の下に、女性は帯の上に帛紗の一角を挟んで入室します。
2. 席に着いたら帛紗を抜き取り、右手の指で端を持ち、左手親指を中央に入れて半分に折り曲げ、右手に持ち替えます。
3. 茶入や棗を拭き、茶を点てる前に、釜の蓋を取る際にも帛紗でつまみを持って蓋を蓋置きに載せます。
4. 茶を点て終わった後、茶杓を拭く際には、帛紗さばきをして茶杓の中節から先についた茶を拭います。
5. 茶が付いた帛紗を建水の上で右手で払い落とします。
6. 使い終わった帛紗は、再び三角形に折りたたみ、帯に付けて退室します。

袱紗挟み

袱紗挟みについても参照してください。

煎[[茶]]道における帛紗の扱い

煎[[茶]]道では、帛紗は茶量（茶合）や茶入（茶壺）を清める際に使われます。取り扱いは流派によって異なりますが、あらかじめ茶席に帛紗を置いて点前を始める流派が多いです。野点の場合は、他の多くの道具と共に提籃に入れて持ち運ぶのが一般的です。

帛紗は、茶道において茶器を清め、扱う上で非常に重要な役割を担っています。その美しい所作は、茶道の精神性を体現する要素の一つと言えるでしょう。

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