帯谷知可

帯谷知可氏は、中央アジア近現代史、中央アジア地域研究を専門とする日本の歴史学者です。京都大学東南アジア地域研究研究所教授を務めています。元地域研究コンソーシアム事務局長でもあります。

神奈川県に生まれた帯谷氏は、1986年に東京外国語大学外国語学部ロシア語学科を卒業しました。井上靖の小説やNHK特集「シルクロード」に感銘を受け、シルクロードへの関心を深めたことが、中央アジア研究への道を志すきっかけとなりました。大学院では山内昌之や小松久男といった研究者の授業を受け、中央アジア地域研究の道に進むことを決意しました。

1990年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程を修了し、学術修士の学位を取得。その後、1991年に同博士課程を中退し、東京大学教養学部の助手となります。1994年には外務省在ウズベキスタン日本国大使館専門調査員として現地に赴任しました。

帰国後、1996年に国立民族学博物館地域研究企画交流センターの助手、2002年に助教授、2006年には京都大学地域研究統合情報センター助教授、2007年に准教授、2011年には地域研究コンソーシアム事務局長を歴任しました。

2016年、京都大学東南アジア地域研究研究所准教授となり、2019年には博士（地域研究）の学位を取得。2022年より現職である京都大学東南アジア地域研究研究所教授を務め、中央アジア近現代史、中央アジア地域研究の発展に貢献しています。

主な著作として、

『ヴェールのなかのモダニティ : ポスト社会主義国ウズベキスタンの経験』（東京大学出版会、2022年）
『ウズベキスタンを知るための60章』明石書店 2018年

などがあります。

また、編著や編集も多数手がけています。

『融解と再創造の世界秩序』（村上勇介と共編著）青弓社 2016年
『スラブ・ユーラシア世界における国家とエスニシティ』（林忠行, 宇山智彦と共編）国立民族学博物館地域研究企画交流センター 2002年
『中央ユーラシアを知る事典』（小松久男, 梅村坦, 宇山智彦, 堀川徹と共編）平凡社 2005年
『中央アジア』（北川誠一, 相馬秀廣と共編）朝倉書店 2012年
『秩序の砂塵化を超えて : 環太平洋パラダイムの可能性』（村上勇介と共編） 京都大学学術出版会 2017年
『中央ユーラシアの女性・結婚・家庭 : 歴史から現在をみる』（磯貝真澄と共編）国際書院 2023年

さらに、翻訳書としてエドヴァルド・ルトヴェラゼ著『アレクサンドロス大王東征を掘る : 誰も知らなかった足跡と真実』（日本放送出版協会、2006年）があります。

帯谷知可氏は、中央アジア研究の分野において、幅広い研究活動と教育活動を通じて、多大な貢献をしています。

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