帰雲山

帰雲山（かえりくもやま）

帰雲山は、岐阜県大野郡白川村にそびえる標高1,622mの山です。庄川の右岸、木谷地区に位置し、国道156号からもその独特な山容、特に西側山腹に露出した巨大な崩落面を望むことができます。北西の麓には、世界遺産である白川郷の萩町集落が広がっています。飛騨高地最高峰の猿ヶ馬場山の西に位置する前衛の山としても知られています。

山名の由来

山名は、雲がこの山にぶつかると逆流して帰っていくという伝承に由来すると言われています。神秘的な山容を連想させる名前です。

天正地震による山腹崩壊

1586年（天正13年）に発生した天正地震は、帰雲山に甚大な被害をもたらしました。西側山腹が大規模に崩壊し、大量の土砂が麓の庄川を塞き止め、天然ダムを形成するほどでした。400年以上経った現在でも、山頂付近から二つに割れたような地形が確認でき、当時の地震の規模を物語っています。

この崩壊により、帰雲山付近にあった戦国武将・内ヶ島氏理の居城「帰雲城」と、300〜400戸あったとされる城下町が土砂に埋没しました。内ヶ島氏一族郎党と領民のほとんどが死亡するという悲劇に見舞われました。史書には、たまたま他国へ出ていた数人の領民を除き、ほぼ全滅したと記されています。

内ヶ島氏は鉱山師でもあり、戦国武将の中でも特に多くの金を所有していたと伝えられています。そのため、帰雲城跡には莫大な埋蔵金が埋まっているのではないかという噂があり、ロマンを求める人々を惹きつけています。正確な場所は特定されていません。

周辺の山

猿ヶ馬場山（標高1,875m）
籾糠山（標高1,744.3m）

参考文献

『ヤマケイアルペンガイド21白山と北陸の山』山と渓谷社、2000年、P132 - 135、ISBN 4-635-01321-9

関連項目

飛騨高地
帰雲城
内ヶ島氏理
天正地震

外部リンク

帰雲城と内ヶ島氏の謎 - ウェイバックマシン（2001年2月19日アーカイブ分）

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