平岡昭利

平岡昭利

平岡昭利（ひらおか あきとし、1949年 - ）は、日本の地理学者です。人文地理学、歴史地理学、社会地理学を専門とし、特に島嶼地域に関する研究で知られています。関西大学大学院文学研究科博士課程を単位取得退学後、長年にわたり研究・教育活動に従事し、現在は下関市立大学名誉教授の地位にあります。

研究分野

平岡の研究は、人文地理学、歴史地理学、社会地理学という幅広い分野をカバーしていますが、その中でも特に島嶼地域に関する研究に力を入れています。島々の地理的特性、歴史的変遷、社会構造などを多角的に分析し、その研究成果は学術界で高く評価されています。

アホウドリと南進論

平岡の主要な研究テーマの一つに、アホウドリをめぐる歴史研究があります。著書『アホウドリと「帝国」日本の拡大：南洋の島々への進出から侵略へ』(2012年)および『アホウドリを追った日本人：一攫千金の夢と南洋進出』(2015年)では、明治から昭和戦前期の日本が南洋に進出した背景に、アホウドリをはじめとする鳥類の捕獲や、資源としてのグアノ、リン鉱石の獲得競争があったことを実証的に明らかにしました。これらの研究は、従来の南進論に対する新たな視点を提供し、学術界に大きな影響を与えました。

『アホウドリと「帝国」日本の拡大』は、日本地理学会賞、人文地理学会賞、地理空間学会賞という、地理学分野における権威ある３つの賞を同時に受賞するという快挙を成し遂げました。このことは、平岡の研究が学術的に非常に高く評価されていることを示しています。

主な著書

平岡は、多数の著書を執筆・編集しており、その研究成果は幅広い読者に共有されています。以下に主な著書を列挙します。

単著

『南西諸島のサトウキビ農業』、大明堂、1985年
『アホウドリと「帝国」日本の拡大：南洋の島々への進出から侵略へ』、明石書店、2012年
『アホウドリを追った日本人：一攫千金の夢と南洋進出』、岩波書店（岩波新書）、2015年

編著

『明治の鹿児島：景観と地理』、海青社、1988年
『九州水車風土記』、古今書院、1992年
『地図でみる佐世保：古地図と古い写真でみる佐世保の変遷』、芸文堂、1997年
『九州（地図で読む百年）』、古今書院、1997年
『中国・四国（地図で読む百年）』、古今書院、1999年
『東北（地図で読む百年）』、古今書院、2000年
『北海道（地図で読む百年）』、古今書院、2001年
『水車と風土』、古今書院、2001年
『地図で読み解く日本の地域変貌』、海青社、2008年
『離島に吹くあたらしい風』、海青社、2009年

共編著

『中部1（地図で読む百年）』、古今書院、2000年（野間晴雄との共編著）
『中部2（地図で読む百年）』、古今書院、2000年（野間晴雄との共編著）
『関東1（地図で読む百年）』、古今書院、2003年（寺阪昭信、元木靖との共編著）
『関東2（地図で読む百年）』、古今書院、2003年（寺阪昭信、元木靖との共編著）
『近畿1（地図で読む百年）』、古今書院、2006年（野間晴雄との共編著）
『近畿2（地図で読む百年）』、古今書院、2006年（野間晴雄との共編著）

外部リンク

平岡昭利 - researchmap
平岡昭利 - J-GLOBAL
平岡昭利 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
* 論文一覧（KAKEN、CiNii）

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