平岡通義

平岡通義（ひらおか みちよし）

平岡通義は、1831年9月20日（天保2年8月15日）に長門国阿武郡松本村（現在の山口県萩市）にて誕生しました。彼は幕末期の長州藩士として多くの歴史的な出来事に関与した後、明治時代には官僚・政治家として活躍し、日本の近代化に貢献しました。

幼少期と長州藩士としての経歴

長州藩士の家に生まれた平岡は、教育を受けながら成長しました。彼は、干城隊の参謀として第二次長州征討に参加し、石州口の戦いで従軍しました。この戦いでは、敵陣の攻略に成功し、占領した地域の奉行を務め、戦後の復興にも寄与しました。その後、戊辰戦争にも参加し、越後の戦線に従軍、米沢までの征戦を経験しました。

官僚としての活躍

1869年4月、明治新政府において越後府判事試補に就任し、政治の舞台に足を踏み入れました。その後、東京府で少参事、権大参事を歴任し、次第に要職に昇進していきました。明治4年には工部少丞に就任し、さらに造船権頭や製作頭兼造船頭、工部大丞などの要職を歴任しました。

平岡は特に、工部省や皇居御造営事務局での活動を通じて、日本のインフラや建設技術の向上に貢献しました。具体的には、セメント製造の普及や銀座通りの改築、深川猿江貯木所の整備などに関与し、建築界を支える人材の育成にも力を注ぎました。

元老院議官としての役割

1887年12月22日、平岡は元老院議官に任命され、1890年10月20日の庶務廃止までその職にありました。その後は、錦鶏間祗候に任じられましたが、1904年には願い出てその職を辞しました。この時期、彼は日本の政治の発展にも寄与しました。

晩年と死去

平岡通義は1917年4月、老衰により東京市外の自宅で息を引き取りました。彼の生涯は、明治時代の日本の建設や発展に大きな影響を与えました。

家族

平岡の家族については、養子として平岡盛三郎（市川兼恭の二男）がいます。

栄典

平岡は、1886年（明治19年）に従四位、1915年（大正4年）に従三位を受けるなど、その功績が評価されました。

参考文献

• - 大正過去帳 物故人名辞典（東京美術、1973年）
• - 我部政男・広瀬順晧編 国立公文書館所蔵 勅奏任官履歴原書 下巻（柏書房、1995年）
• - 安岡昭男編 幕末維新大人名事典 下巻（新人物往来社、2010年）
• - 名誉会員平岡通義君の畧伝（建築雑誌、第277号、1910年）

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