平成電電

平成電電株式会社とは

平成電電株式会社は、かつて存在した日本の電気通信事業者です。インターネットサービスプロバイダ「TRY-NET」を前身とし、直収電話サービス「平成電話（後のCHOKKA）」やADSLサービス「電光石火」などを提供していました。

事業の拡大と資金調達

平成電電は、NTT東西の電話加入権買取キャンペーンなどを展開し、2003年から2004年にかけて加入者数を急増させました。しかし、その裏では、高利回りを謳った「ADSLモデムオーナー」や「平成電話パートナーシステム」などの投資スキームを通じて資金を集めていました。これらの投資スキームは、実質年利回り26.4%といった異常な高利回りを謳い、自転車操業の状態でした。

経営破綻と民事再生

資金繰りが悪化し、2005年10月に経営破綻。民事再生法の適用を申請しましたが、再建計画は頓挫。最終的に破産手続きが開始され、事業は日本テレコム（現ソフトバンク）に譲渡されました。平成電電自体は清算会社となり、2009年に完全消滅しました。

詐欺事件

投資家から多額の資金を集めたものの、事業が採算ベースに乗らなかったため、会社は経営破綻しました。結果的に、投資家は出資金のほとんどを失うことになり、元社長ら経営陣は詐欺容疑で逮捕される事態となりました。

平成電電の沿革

1990年7月: トライネットワークインターナショナル株式会社設立（輸入雑貨卸業）
2000年1月: 株式会社ライキット・エージェンシー設立（広告業）
2001年3月: 株式会社トライネットテレコムに商号変更、業態変更
2001年7月: 平成電電株式会社（初代）に商号変更
2002年1月: 第一種電気通信事業をトライネットワークインターナショナルに譲渡
2002年2月: トライネットワークインターナショナルが平成電電株式会社（2代目）に商号変更
2005年10月: 民事再生法の適用を申請
2006年6月: 破産手続き開始決定、事業を日本テレコムに譲渡
2009年5月: 破産手続き終結

主なサービスと投資商品

CHOKKA: 直収電話サービス
電光石火: ADSLサービス
FREECOM: 無料プロバイダーサーバーを投資家に販売、賃料を配当とするスキーム
平成電電パートナーシステム: 投資ファンド、主な投資対象は平成電話
ADSLモデムオーナー: モデムを販売、レンタル料を支払うスキーム

関連会社

株式会社キューウエーブ
株式会社シティコミュニケーション
トライアイズ株式会社（旧ドリームテクノロジーズ）
ジャパンワイヤレス株式会社
平成高速通信株式会社
株式会社才田組
DTコミュニケーションズ株式会社（旧・平成電電コミュニケーションズ）
平成電電設備株式会社
* 平成電電システム株式会社

その後の動き

平成電電の事業は、日本テレコムに引き継がれ、平成電電自体は清算されました。また、元経営陣は詐欺罪で逮捕され、刑事裁判で有罪判決が確定しました。この事件は、高利回り投資の危険性を世の中に示した事例として、記憶されています。

まとめ

平成電電は、革新的な通信サービスを提供する一方で、無理な資金調達と杜撰な経営により、最終的に破綻しました。投資家への巨額な損害、そして経営陣による詐欺事件は、当時の社会に大きな衝撃を与えました。この事件は、企業の健全な成長とリスク管理の重要性を教えてくれる事例として、今も語り継がれています。

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