平湯峠

平湯峠（ひらゆとうげ）

岐阜県高山市に位置する平湯峠は、飛騨山脈の輝山と大崩山（乗鞍岳のピークの一つ）の鞍部に位置する標高1,684mの峠です。かつては大野郡丹生川村と吉城郡上宝村の境界でもありました。この峠は、神通川水系宮川の支流である久手川と、同水系高原川の支流であるトヤ谷の分水嶺となっています。

歴史

1978年（昭和53年）に平湯トンネルが開通するまでは、国道158号がこの峠を越えていました。しかし、トンネル開通に伴い、峠道は岐阜県道へと変更されました。高山市街と平湯温泉を直接結ぶ唯一の道であったため、峠道は急カーブや急勾配が続く難所として知られていました。

現在の状況

現在、平湯峠とその周辺の道路は以下のようになっています。

岐阜県道5号乗鞍公園線: 国道158号との交点（高山市街側）から平湯峠を経由し、乗鞍畳平までを結びます。特に、平湯峠から乗鞍畳平までは乗鞍スカイラインの一部を構成しており、マイカー規制により、バスとタクシーを除き一般車両の通行は禁止されています。冬季は通行止めとなります。
岐阜県道485号平湯久手線: 平湯峠から国道158号との交点（平湯温泉側）を結びます。

平湯トンネル

平湯峠の地下約240mには、延長2,430mの平湯トンネル（標高1,445m）が通っています。このトンネルは1978年（昭和53年）に開通し、峠を越える難所を解消しました。さらに、1997年（平成9年）には平湯温泉と長野県の中の湯温泉を結ぶ安房トンネルも開通し、高山市街と松本市中心部、さらには首都圏方面との交通アクセスが大幅に向上しました。現在では、東京都と高山市を結ぶ高速バスなどが両トンネルを経由しています。

今後の計画

現道に並行して中部縦貫自動車道の建設も計画されており、2023年（令和5年）2月には、バイパス方式による整備が決定しました。

まとめ

平湯峠は、その歴史と自然の美しさから、多くの人々に愛されてきた場所です。現在は、平湯トンネルの開通により交通の便が向上しましたが、峠道は依然として乗鞍スカイラインへと続く重要なルートとして、その役割を果たし続けています。

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