幻の花嫁

あらすじ

『幻の花嫁』は、1979年10月29日から12月28日にかけて、TBS系列の「花王 愛の劇場」枠で放送された昼ドラマです。このドラマは、ウィリアム・アイリッシュのミステリー小説『死者との結婚』を原作としています。物語は、主人公のいずみが、恋人に裏切られ妊娠したことから始まります。絶望したいずみは、伊豆大島行きの船に乗りますが、そこで妊娠中の妙子とその夫に出会います。しかし、船が遭難し、妙子夫妻は命を落としてしまいます。いずみは、妙子と間違われ、妙子の夫の実家である山梨県勝沼町（現在の甲州市）に迎え入れられます。身寄りのないいずみは、そのまま「妙子」として生きることを決意し、ぶどう農家の一員として働き始めます。彼女は、いつ秘密がばれるかという不安と、善良な家族を欺いているという罪悪感に苛まれながらも、懸命に生きていきます。そんな中、妙子の夫の弟は、いずみに好意を抱き始めますが、そこに、いずみの過去の恋人が現れ、彼女を脅迫します。物語は、いずみの心の葛藤と、その運命がどのように展開していくのかを描いています。

特徴

このドラマは、原作のストーリーを基にしながらも、設定や展開にいくつかの変更が加えられています。原作では、花嫁が入れ替わるきっかけは列車事故ですが、ドラマでは伊豆大島への船の海難事故に変更されています。また、舞台も、原作や1960年の映画版では富裕な家庭でしたが、『幻の花嫁』ではごく普通の農家が舞台となり、勝沼町の美しい自然が描かれています。さらに、結末も原作とは異なり、ハッピーエンドとなっています。いずみは、最終的に家族に真実を打ち明けますが、家族は彼女が妙子ではないことを知っていながらも、温かく受け入れます。このドラマは、人間の心の奥底にある感情や、家族の絆を描き出し、多くの視聴者の心を掴みました。

キャスト

いずみ：樫山文枝
妙子：寺田路恵
下條正巳
原康義
風見章子
大出俊
西岡徳美
近藤ふみ子
神田橋満
小沢忠臣
尾美としのり
植村恭子
新井裕樹
山本清
松本朝夫
中村美代子
彩藤みどり
八木光生
柳沢紀男
加藤茂雄
ナレーター：伊藤幸子

スタッフ

原作：ウィリアム・アイリッシュ（『死者との結婚』より）
プロデューサー：前田満州夫（国際放映）、野村清（TBS）
脚本：梅林貴久生、阿井文瓶
監督：下村堯二、新津左兵
助監督：藤井吉春
音楽：日暮雅信
撮影：喜多崎晃
美術：朝生治男
照明：矢口明
編集：神谷信武
録音：小林尚
整音：坂田通俊
選曲：境野富夫
制作：国際放映、TBS
協力：山梨県勝沼町

主題歌

「めぐり逢いゆれて…」（歌：伊東ゆかり）
作詞：来生えつこ
作曲：都倉俊一
編曲：田辺信一

関連情報

原作：ウィリアム・アイリッシュ『死者との結婚』
1960年映画版監督：高橋治
舞台協力：山梨県勝沼町（現：甲州市）
関連リンク：葡萄園#日本の葡萄園
* 外部リンク：テレビドラマデータベース、松竹映画データベース

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