広島県道30号廿日市佐伯線

広島県道30号廿日市佐伯線

概要

広島県道30号廿日市佐伯線は、広島県廿日市市内に完結する主要地方道です。廿日市市の宮内地区を起点とし、かつて佐伯町であった地域を経由して、同市栗栖地区で国道186号に接続します。総延長は19.7キロメートルに及び、瀬戸内海側の地域と中国山地方面を結ぶルートの一部を構成しています。特に、起点の宮内から津田にかけての区間は、朝夕の通勤・通学時間帯に交通量が多く、地域の生活や経済活動を支える重要な路線となっています。

歴史

本路線は、古くから「津和野街道」として重要な役割を担ってきました。中世においては、西国街道から宮内村（現在の廿日市市宮内）で分岐し、明石峠（現在の明石峠）を越えて友田、津田、栗栖を経て石見国津和野（現在の島根県津和野町）の城下へ至る主要な交通路でした。江戸時代に入ると、石見国にあった津和野藩主の参勤交代ルートの一つとして利用され、脇街道として整備が進められました。

明治時代に入ってもその重要性は失われず、1891年（明治24年）には県道として改修が行われました。この時の改修を記念する碑が、現在も廿日市市宮内の御手洗川沿いに残されています。

現代の県道としての指定は、1982年（昭和57年）4月1日に建設省（当時）によって主要地方道として指定されたことに始まります。同年12月6日には広島県によって県道路線として認定されました。この時点では、前身である山口県道・広島県道2号徳山廿日市線の一部を引き継いだものでしたが、起点付近は島根県道・広島県道4号益田廿日市線と多くの区間で重用しており、廿日市町内（当時）に単独区間がほとんど存在しないという特徴がありました。

その後の行政区画の変更や路線の再編により、現在の形へと変化していきます。1988年（昭和63年）4月1日には、佐伯郡廿日市町が市制を施行し廿日市市となったことに伴い、起点の地名表記が変更されました。1993年（平成5年）4月1日には、重用していた島根県道・広島県道4号益田廿日市線が廃止されたことにより、ようやく廿日市市内に独立した区間を持つことになり、名実ともに現在の起点が廿日市市宮内の宮内交差点となりました。同年5月11日には、改めて主要地方道として建設省により指定されています。そして、2003年（平成15年）3月1日に佐伯郡佐伯町が廿日市市に編入されたことにより、路線全体が廿日市市域のみを通る形となり、終点の地名表記も変更されて現在に至ります。

路線状況

重用区間
広島県道42号大竹湯来線：廿日市市永原（玖島分かれ交差点）から廿日市市河津原（河津原交差点）までの区間。

地理

通過する自治体
本路線は、広島県廿日市市のみを通過します。

交差する主な道路
国道2号（西広島バイパス）：起点（宮内交差点）
国道186号：終点（栗栖交差点）
広島県道42号大竹湯来線：重用区間内
その他、県道や市道が交差します。

峠
明石峠：廿日市市宮内と同市峠の間を通過します。

沿線
広島県立廿日市特別支援学校
広島県立佐伯高等学校
廿日市市役所佐伯支所
小瀬川（自然）
広島佐伯カントリー倶楽部（名所・旧跡・観光地）
鷹の巣ゴルフクラブ（名所・旧跡・観光地）
岩倉温泉（名所・旧跡・観光地）

本路線は、広島県西部に位置する廿日市市の交通網において、歴史的な背景を持ちつつ、現代の地域社会を支える主要な幹線道路としての役割を果たしています。

管理者

本路線の全区間は、広島県西部建設事務所廿日市支所によって管理されています。

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