広島県道34号矢野安浦線

広島県道34号矢野安浦線

広島県道34号矢野安浦線（ひろしまけんどう34ごう やのやすうらせん）は、広島市安芸区から呉市に至る主要地方道に位置づけられる県道です。広島市の東部と呉市の西部、特に安浦地区を結ぶ重要な路線であり、地域間の円滑な交通を支えています。

概要

この県道は、広島市安芸区の矢野西二丁目にある細越交差点（国道31号に接続）を起点とし、安芸郡熊野町、東広島市を経由して、呉市安浦町中央五丁目の安浦バイパス東口交差点（国道185号に接続）を終点とします。総延長は約32.7キロメートルにおよび、そのルート上には山間部や丘陵地帯が含まれています。

歴史

路線の整備は、昭和30年代に入り交通量が増加したことを背景に本格化しました。1958年（昭和33年）に計画が具体化され、同年12月20日には予定線が決定します。その後、1959年（昭和34年）から1966年（昭和41年）にかけて、県道内海矢野線の生産改良事業、舗装事業、そして踏切を除去する事業として建設工事が進められました。これらの工事には、熊野分かれ交差点などの主要な交差点の整備も含まれています。総事業費は2億5,586万円を要し、そのうち費用の10分の1は地元の矢野町、熊野町、黒瀬町、熊野跡村が、それぞれ5対3対1対1の割合で負担するという形で地域の協力のもと進められました。

1966年（昭和41年）5月11日に開通式が行われ、供用が開始されました。その後も路線の改良は進められ、特に交通量の多い区間や難所においてはバイパスの整備が進められています。

1988年（昭和63年）2月24日：中畑バイパスが完成し、供用を開始しました。
1993年（平成5年）5月11日：建設省（現在の国土交通省）により、県道矢野安浦線として主要地方道に指定され、その重要性が改めて位置づけられました。
2021年（令和3年）8月5日：熊野バイパスの一部区間が開通し、さらなる利便性の向上が図られています。

路線状況

路線の整備状況は区間によって異なりますが、特に交通量の多い区間や山間部においては、バイパス道路が整備されています。広島熊野道路は、本路線のバイパス機能の一部を担っています。

また、安芸郡熊野町内の一部区間（中溝三丁目の道垣内交差点から萩原三丁目の阿戸別れ交差点まで）では、広島県道174号瀬野呉線と重複しています。

主な道路施設

トンネル: 本路線上にはいくつかのトンネルが存在し、特に山間部における通過を円滑にしています。
熊野トンネル: 長さ約1,238メートル。1990年（平成2年）に完成しました。広島市安芸区と安芸郡熊野町を結ぶ区間（広島熊野道路内）に位置しています。
熊野黒瀬トンネル: 長さ約1,167メートル。2013年（平成25年）に完成しました。安芸郡熊野町と東広島市を結ぶ区間に位置しています。

地理

本路線は、広島県内の以下の市町を通過します。

広島市（安芸区）
安芸郡熊野町
東広島市
呉市

起点と終点で主要な国道に接続するほか、通過する自治体内で他の県道などとも交差しています。また、沿線にはJR西日本の呉線が並行する区間があり、矢野駅や安浦駅などが路線の近くに位置していますが、直接交差する箇所は限られています。その他、呉市立安浦小学校や呉市立安浦中学校などの教育施設も沿道にあります。

関連情報

* 広島県の県道一覧

この路線は、地域の生活と産業を支える重要な交通インフラとして、今後もその役割を果たしていくことが期待されています。

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