広島県道76号神辺大門線

広島県道76号神辺大門線

広島県道76号神辺大門線は、広島県福山市の北部、神辺町を起点とし、同市東部の大門町に至る主要地方道です。

概要

この路線は、福山市内の神辺地区から大門地区までを結んでおり、途中で坪生町、引野町などの住宅地や地域中心部を経由します。路線の全区間が福山市域内に収まる「市域完結路線」であり、地域内の移動や幹線道路への接続において重要な役割を果たしています。

路線データによれば、起点は福山市神辺町、終点は福山市大門町と定められています。実延長は約11.7キロメートルです。この路線は、1994年（平成6年）4月1日に県道として認定されました。

歴史

神辺大門線の整備以前は、広島県道101号平野笠岡線、広島県道379号坪生福山線、広島県道380号坪生大門線といった複数の県道がその役割の一部を担っていました。これらの路線の一部または全部が再編統合され、現在の主要地方道として認定されました。

特に、かつての前身路線の一つである広島県道380号坪生大門線は、現在の神辺大門線の一部経路に影響を与えています。この旧路線は、坪生町付近から大規模な住宅団地を経由し、国道2号の大門町津之下交差点付近へ接続していました。しかし、日本鋼管（現JFEホールディングス）の進出に伴う周辺の宅地開発が進んだ結果、路線の経路が大幅に変更されました。この経緯から、神辺大門線は認定上の終点こそ大門町ですが、実際には引野町まで事実上続いているという状況が生まれています。

年表を見ると、

1993年（平成5年）5月11日：建設省（当時）により、前身となる複数の県道の一部が主要地方道神辺大門線として指定されました。
1994年（平成6年）4月1日：広島県により正式に県道として認定されました。
2006年（平成18年）3月1日：深安郡神辺町が福山市に編入されたことにより、全線が福山市内を通過する市域完結路線となりました。
2013年（平成25年）12月26日：坪生町地内において、総事業費約9億円を投じて整備された新道区間（延長610メートル、車道2車線・両側歩道）が供用開始されました。
2014年（平成26年）11月22日：坪生町の新道にある横断歩道に、通学路の安全確保のため押しボタン式信号機が設置、運用が始まりました。

路線状況

路線の全体的な状況としては、一部に道幅が狭く、カーブが連続する区間が存在します。特に神辺町平野から下竹田にかけての区間では、右左折が多く、狭隘な箇所が見られます。

また、坪生町内の坪生町北交差点から坪生町交差点にかけての区間は、広島県道379号坪生福山線との重用区間となっています。

地理

神辺大門線が通過するのは、全線が広島県福山市内です。主な通過地は、神辺町平野、神辺町下竹田、神辺町上竹田、坪生町、坪生町南、東陽台、幕山台、青葉台、春日台、伊勢丘、引野町といった福山市北東部の各地域です。

この路線は、以下の主要な道路と接続しています。

国道313号（神辺町平野・平野分かれ交差点）
広島県道189号福山上御領線（神辺町下竹田・神辺町下竹田交差点）
広島県道379号坪生福山線（坪生町五丁目・坪生町北交差点、坪生町四丁目・坪生町交差点）
* 国道2号（引野町・伊勢丘入口交差点）

沿線には、地域の学校や公共施設が点在しています。主な施設としては、福山市立神辺東中学校、福山市立竹尋小学校、福山市立鳳中学校、福山市東部市民センター（福山市東部図書館併設）、英数学館小学校・中学校・高等学校などがあります。

旧街道との関連

神辺町下竹田（竹田橋南詰）から坪生町（坪生公民館前）にかけての区間は、かつての石見銀山街道笠岡道と並行しています。この旧街道は、備後府中と備中笠岡を結ぶ道であり、小田県が存在した時期には重要な幹線道路として整備が計画されました。石見国方面へ向かう道として「石州街道」、備中笠岡方面へ向かう道として「笠岡往来」とも呼ばれていました。

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