広島県道81号生口島循環線

広島県道81号生口島循環線

広島県道81号生口島循環線は、瀬戸内海に浮かぶ生口島を巡る主要地方道です。この道路は全線が広島県尾道市内に位置しており、島の周縁部を結ぶことで、住民の生活や来訪者の移動を支える基幹道路としての役割を果たしています。

概要

この路線は、尾道市の生口島を文字通り一周する形で敷設されています。島の玄関口である沢港付近を起点とし、島を一周して再び沢交差点へと至るルートです。島の地形に沿って曲がりくねりながら、美しい海岸線や集落を縫うように進みます。

路線データ

路線の基本的なデータは以下の通りです。

起点: 広島県尾道市瀬戸田町沢（フェリー乗り場前）
終点: 広島県尾道市瀬戸田町沢（沢交差点）
実延長: 12.756キロメートル
認定: 1960年（昭和35年）10月10日

歴史

広島県道81号生口島循環線は、1960年10月10日に広島県告示第682号によって県道路線として認定されたことから始まります。その後、路線の位置づけや状況は時代の変化とともに変わっていきました。

1970年4月1日には、国道317号の昇格（1969年12月4日政令第280号による）に伴い、尾道市因島洲江町から尾道市瀬戸田町垂水までの区間が国道317号との重複区間となりました。

1972年11月1日には、県道番号の再編が実施され、本路線は広島県道371号生口島循環線と改称されました。

1991年12月8日、生口橋が開通し、生口島が本州方面と陸路で結ばれたことは、本路線にとっても大きな変化でした。そして、1993年5月11日には、建設省（現国土交通省）から主要地方道に指定されることとなります。この指定を受け、1994年4月1日には主要地方道へと昇格し、現在の路線名称である広島県道81号生口島循環線および県道番号に変更されました。

さらに1999年5月1日、瀬戸内しまなみ海道（西瀬戸自動車道）が全線開通し、四国方面とも陸路で結ばれることによって、生口島は本州・四国双方からのアクセスが格段に向上し、本路線の重要性も増しました。

2006年1月10日には、尾道市が周辺自治体である因島市および豊田郡瀬戸田町を編入合併したことにより、本路線の全区間が尾道市域を通る路線となりました。

路線状況

本路線には、他の道路と重複する区間が存在します。

広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線: 尾道市瀬戸田町林から尾道市因島洲江町間、および尾道市瀬戸田町垂水から尾道市瀬戸田町福田間で重複しています。
国道317号: 尾道市因島洲江町の赤崎港前から尾道市瀬戸田町垂水までの区間で重複しています。

地理

通過する自治体

前述の通り、本路線は全線が尾道市内を通過します。

交差する道路

島を一周する中で、いくつかの主要な道路と交差します。

広島県道372号林御寺線（尾道市瀬戸田町林、尾道市瀬戸田町御寺）
西瀬戸自動車道（瀬戸内しまなみ海道）生口島北IC（尾道市因島洲江町）
国道317号（尾道市因島洲江町・赤崎港前、尾道市瀬戸田町垂水）
西瀬戸自動車道（瀬戸内しまなみ海道）生口島南IC（尾道市瀬戸田町荻）

これらの交差点は、島外へのアクセスや島内の他地域への移動において重要な接続点となっています。

沿線の施設・名所

生口島循環線沿いには、島の生活を支える公共施設や、観光客に人気の名所・旧跡・観光地が点在しています。

沿線にある主な施設としては、島の玄関口の一つである沢港、地域医療を担う尾道市立市民病院附属瀬戸田診療所、教育機関である広島県立瀬戸田高等学校、物流拠点である赤崎港や洲江港、そして行政サービスを提供する尾道市役所 東生口出張所や尾道市役所 瀬戸田支所などがあります。

また、観光の面では、瀬戸内しまなみ海道の一部を構成する生口橋や多々羅大橋といった壮大な橋梁を望むことができます。その他にも、シトラスパーク瀬戸田、瀬戸田サンセットビーチといったレクリエーション施設、歴史ある向上寺や広大な耕三寺といった寺院、そして生口島出身の著名な画家である平山郁夫の作品を展示する平山郁夫美術館など、多くの見どころがあります。これらの施設や名所へのアクセス道路としても、本路線は重要な役割を担っています。

生口島循環線は、単なる交通路としてだけでなく、島の豊かな自然、歴史、文化、そして人々の暮らしに触れることができる、生口島の魅力を巡る道と言えるでしょう。

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