広島高速交通7000系電車

広島高速交通7000系電車について

広島高速交通7000系電車は、広島県広島市で運行されているアストラムラインのために開発された新しい型の電車であり、2020年3月26日より営業運転を開始しました。この電車は、広島高速交通が長年にわたって使用してきた6000系電車とその後に導入された1000系の代替として登場し、モダンな機能と快適な乗り心地が特徴です。

概要と製造背景

7000系電車は、広島高速交通における新交通システムをさらに進化させるべく、三菱重工業の新会社である三菱重工エンジニアリングによって設計・製造されました。これにより、従来の6000系および1000系の利用状況を踏まえつつ、最新の技術を駆使して新型車両が開発されました。

車両の構造

7000系は6両編成で構成されており、内訳は制御車2両、中間電動車3両、付随車1両の組み合わせです。車体には、ゆりかもめや日の出ライナーなどで実績のある、アルミニウム合金を用いたダブルスキン構造「Al-fine」が採用されています。この技術によって車両の軽量化が図られ、約3トンのダイエットに成功しました。また、車幅や車高の拡大により、広々とした車内空間が提供されています。

車両の外装デザインは、アストラムラインのシンボルカラーであるクロムイエローを基調としたものとなっており、前照灯や尾灯はLEDを採用しているため、視認性も高く、現代的な印象を与えています。

インテリアデザイン

7000系のインテリアは、三菱重工業の「Detail-ism」を基礎に設計され、アストラムラインの従来のイメージを引き継いでいます。座席は長座席のままとしながらも、背もたれを高くすることでリラックスした姿勢を保てるようになり、利便性が向上しました。さらに、全車両に車椅子やベビーカーにも対応したフリースペースを設け、乗客の快適さを重視しています。ただし、これらの改良に伴い、定員数や座席数は少々減少しています。

空調システムも強化されており、冷房能力が30%向上し、天井部には配風ダクトが設置されていますので、車内の温度が均一に保たれ、中程度の気温にも適応できる設計がなされています。また、安全対策として監視カメラも装備されており、乗客の安全も考慮されています。

電動機器と走行技術

7000系では、乗り心地を向上させるために「T-smover」と呼ばれるボギー台車が搭載されており、振動や揺れを軽減します。支えるゴムタイヤとソリッドタイヤの組み合わせによって、アシスト役の役割も果たしています。集電装置は進行方向に対して直角に配置され、安定した運行が可能です。

制御装置には、東洋電機製造のIGBT素子が用いられたVVVFインバータ制御方式が導入されており、高効率な運行を実現しています。また、補助電源装置や電動空気圧縮機も高性能なものが選定され、運行時の信頼性が向上しています。

運用状況

7000系電車の最初の編成となる第31編成は、2019年10月に車両基地に導入され、その後に報道機関向けの公開などが行われました。営業運転は2020年3月26日から始まり、さらなる車両が2024年度末までに導入される予定です。この新型車両の導入により、従来の6000系および1000系の全車両が置き換えられることになります。

広島高速交通7000系電車は、今後も広島市の交通網を支える重要な役割を果たしていくことでしょう。

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