広平郡

広平郡（廣平郡）

広平郡は、中国の歴史において、三国時代から唐代にかけて、現在の河北省邯鄲市一帯に設置されていた郡です。その歴史は前漢時代に遡り、幾度かの変遷を経て、最終的には唐代にその名が消滅しました。

広平郡の歴史

前漢時代

広平郡の起源は、紀元前91年（征和2年）に劉偃が平干王に封じられ、平干国が置かれたことに始まります。その後、紀元前56年（五鳳2年）に広平国と改称されました。当時の広平国は冀州に属し、広平、張、朝平、南和、列人、斥章、任、曲周、南曲、曲梁、広郷、平利、平郷、陽台、広年、城郷の16県を管轄していました。

王莽の時代には、一時的に富昌郡と改称されました。

後漢時代

後漢が建国されると、広平郡の名称に戻されました。しかし、37年（建武13年）に広平国は廃止され、鉅鹿郡に併合されました。その後、60年（永平3年）に劉羨が広平王に封じられたことで、再び広平国が置かれました。しかし、82年（建初7年）に広平王劉羨が西平王に改封されると、広平国は再び廃止され、鉅鹿郡に併合されました。

魏晋南北朝時代

221年（黄初2年）、魏の文帝により魏郡の西部を分割して広平郡が立てられました。晋代には、広平郡は司州に属し、広平、邯鄲、易陽、武安、渉、襄国、南和、任、曲梁、列人、肥郷、臨水、広年、斥漳、平恩の15県を管轄しました。

北魏時代には、広平郡は平恩、曲安、邯鄲、広平、曲梁、広年の6県を管轄していました。

隋唐時代

北周時代には、広平郡は洺州に属していました。583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止した際、広平郡も廃止され、洺州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、洺州は武安郡と改称されました。

唐代に入り、618年（武徳元年）に武安郡は洺州と改められました。742年（天宝元年）には、洺州が広平郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に再び洺州と改称され、広平郡の名称は歴史から姿を消しました。

広平郡は、その時代ごとに所属や管轄県を変えながらも、この地域に一定の影響を与え続けました。その変遷の歴史は、中国の地方行政制度の変遷を反映するものとして興味深いと言えるでしょう。

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