座頭市地獄旅

概要

『座頭市地獄旅』は、1965年に公開された時代劇映画で、勝新太郎主演の「座頭市」シリーズの第12作です。本作では、座頭市と腕の立つ浪人との対決という、シリーズ初期から描かれてきたモチーフが再び取り上げられています。また、江ノ島の祭りで殴られ屋を演じる十文字糺や、藤沢遊行寺で座頭市が即興で披露する曲芸など、当時の庶民の生活や娯楽が垣間見える場面も多く盛り込まれています。

シリーズ第3作『新・座頭市物語』で、座頭市が「笠間のイチタ」と呼ばれていたのに対し、本作では「ガキの時分から市、市って呼ばれておりやした」という台詞から、「ただの市」という親しみを込めた渾名が付けられるなど、新たな一面も描かれています。

あらすじ

物語は、館山から三浦崎へ向かう船上での丁半博打のシーンから始まります。座頭市は壺振りとして参加しますが、盲目であることを嘲笑されたことに腹を立て、乗客たちをやり込めてしまいます。同じ船には、将棋好きの浪人・十文字糺が乗り合わせており、将棋を通じて意気投合した二人は、互いの腕を認め合い、「ただの市」というあだ名で呼び合うほど親交を深めます。

船が江ノ島に到着し、座頭市は按摩の仕事に励みますが、船中で揉めた若い衆が馬入一家の者だったことから、報復を受けることになります。その騒動に巻き込まれて怪我をしたお種と、その連れの幼女おみきが破傷風を患ってしまいます。責任を感じた座頭市は、南蛮渡来の薬「透頂香」を手に入れ、湯治のため二人を連れて箱根へと向かいます。

箱根の湯治宿で、座頭市は武士の友之進と出会います。友之進は父親の仇を探す旅を続けていましたが、その仇は将棋の揉め事が原因で殺されたことを知ります。そんな中、友之進の従者である六平が何者かに殺されてしまい、物語は新たな展開を迎えます。

スタッフ

企画：奥田久司
原作：子母沢寛
脚本：伊藤大輔
監督：三隅研次
撮影：牧浦地志
録音：大谷巌
美術：内藤昭
照明：小谷賢次
音楽：伊福部昭
編集：菅沼完二
装置：梶谷和男
擬斗：宮内昌平
邦楽：中本敏生
助監督：友枝稔議
製作主任：吉岡徹

キャスト

座頭市：勝新太郎
十文字糺：成田三樹夫
佐川粂：林千鶴
お種：岩崎加根子
六平：丸井太郎
佐川友之進：山本学
江島屋：遠藤辰雄
弁次：五味龍太郎
ミキ：藤山直子
栄太：戸浦六宏
新三：北城寿太郎
桃栗：須賀不二男
亥之：高見国一
寸八：藤岡琢也
伝吉：山本一郎
友之進の父：藤川準
太郎左衛門後家：小林加奈枝
箱根の目明し：伊達三郎
股旅芸者：小柳圭子
後棒：越川一
先棒：沖時男
船頭：堀北幸夫
宿の主人：玉置一恵
江島屋の三下：山岡鋭二郎
鎌作の女中：森下昌子
箱根の宿の隠居：南正夫

外部リンク

座頭市地獄旅 - allcinema
座頭市地獄旅 - KINENOTE
座頭市地獄旅 - オールムービー（英語）
* 座頭市地獄旅 - IMDb（英語）

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