庭坂事件

庭坂事件について

庭坂事件は、1948年4月27日に福島県信夫郡庭坂村（現在の福島市町庭坂）で発生した列車脱線事故です。この事件は、日本国有鉄道（国鉄）の奥羽本線で起こり、多くの人命が失われる結果となりました。

事故の詳細

事故が発生したのは午前0時4分。当時、青森から上野行きの402列車が、馬洞門トンネルを出た直後に脱線しました。この脱線により、機関車と郵便車が10メートルの土堤下へと転落し、その後、岩石と衝突しました。連結されていた荷物車や客車も脱線しました。

事故の結果、機関士と機関助士の二人は岩石の破片によって即死し、機関車に便乗していた技師も重傷を負い、その後死亡しました。特に、使用されていた機関車が急勾配区間用に設計された4110形であったため、運転室が転落する形で、より多くの犠牲者を生む要因となりました。一方で、客車は先頭車両が45度傾いたものの、電化工事中に設置されていた電柱のおかげで転落を免れました。

脱線の原因

現場検証によると、脱線地点は庭坂駅から約1.8キロメートル離れた、下り勾配の途中にある半径300メートルの左カーブに位置しています。この付近の線路継目板2枚、ボルト4本、犬釘6本が発見され、何者かによって抜き取られていたことが確認されました。

事故の原因については、何らかの謀略の可能性や、保線作業後の線路継目板取り付け忘れの説が挙げられましたが、いずれも決定的な証拠が見つかっておらず、真相は未だに不明のままです。この手口は、後に発生した松川事件とも類似しているとされています。

現状

現在、事故現場の近くには殉職者を追悼するための碑が建立されています。この碑には、「事故原因は不明」と明記されています。事故の影響を受けた地域では、その後も厳しい調査が行われ、新たな情報が求められています。

関連事件

この事故は、未解決事件として記憶されており、松川事件や予讃線事件、まりも号脱線事件といった他の類似事件と関連付けて語られることが多いです。これらの事件の背後には、当時の社会情勢や鉄道の安全管理への問題提起があるとされています。

こうした事故を通じて、鉄道の安全性や事故防止策の重要性が改めて認識されるようになりました。未解決事件としての庭坂事件は、今後もその真相を究明するための研究が続けられることでしょう。

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