庭瀬城

庭瀬城（にわせじょう）

庭瀬城は、岡山県岡山市北区に存在した日本の城で、戦国時代に築かれました。江戸時代初頭には廃城となった後、庭瀬藩庁が設置され、庭瀬陣屋として整備されました。別名として芝場城（しばのじょう）とも呼ばれています。今日でも庭瀬地区には堀や遺構が存在し、当時の繁栄を偲ばせる景観が続いています。

歴史

戦国時代

庭瀬城は、備中国の武将三村元親によって、備前国の宇喜多氏の侵攻に備えるために築城されたとも言われています。天正10年（1582年）、羽柴秀吉が備中高松城を水攻めにする際、毛利方にとって国境防衛の重要な拠点となりました。この時、城主井上就正と桂景信は約800人の兵を率いて城を守備しましたが、位置的に孤立したため、吉川元春や小早川隆景から早期撤退の指示が出されました。就正はその命令を無視し、激しい戦闘が繰り広げられましたが、最終的には秀吉軍に敗れ、宇喜多氏の支配下に置かれたため、しばらくの間無城主の状態が続きました。この頃の庭瀬城は、撫川城までの大規模な縄割りを持っていたと伝えられており、その規模の大きさを想像させるものがあります。

江戸時代

慶長6年（1602年）、宇喜多氏の重臣である戸川達安が庭瀬城に入城し、庭瀬藩を立藩することになりました。城は改修され、二の丸に藩庁が設置され、庭瀬陣屋として整備されました。陣屋周辺には新たに町が形成され、地域の発展を促しました。

延宝7年（1679年）、4代藩主戸川安風がわずか9歳で早世したため、戸川氏は断絶し、藩は改易となりました。その後は倉敷代官所が支配を行い、藩主不在の時期が続きました。天和3年（1683年）には、下総国関宿藩から久世重之が戸川氏の後を継ぎ、庭瀬城跡に陣屋を設置します。しかし、貞享3年（1686年）には別の藩に移封され、その後も多くの陣屋が設置されました。元禄の時代には、板倉重高が城に入封し、その後170年間にわたり板倉氏によって支配されました。

寛政5年（1793年）には、板倉勝喜が清山神社を城内に建立し、歴代の遺品を収蔵しました。これにより、庭瀬城は単なる防衛拠点から歴史的な文化財へと変貌を遂げました。

明治時代

明治時代に入ると、城の表門が立成寺に移築され、その歴史的意義がさらに高まりました。

近隣施設

• - 撫川城
• - 犬養木堂記念館、生家

アクセス

JR西日本 山陽本線庭瀬駅からのアクセスが可能です。

関連項目

• - 三村元親
• - 宇喜多秀家
• - 戸川秀安
• - 交代寄合旗本戸川氏撫川陣屋（撫川城）
• - 日本の城一覧

庭瀬城は、その独自の歴史と文化を持つ重要な史跡として、訪れる人々に当時の栄華を思い起こさせる場所です。

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