廣島日出国

廣島日出国

廣島日出国（ひろしま ひでくに、1937年11月18日 - 2009年10月23日）は、日本の陸上競技、特にマラソンにおいて名を馳せた選手であり、後に著名な指導者としても活躍しました。彼の人生は、スポーツ界での成功とその教えを受け継ぐ選手たちの活躍によって彩られています。

幼少期と選手時代

宮崎県東臼杵郡北郷村に生まれた廣島は、長距離走に憧れを抱いて中学校を卒業後、走り始めました。彼の叔父であり、元マラソン日本記録保持者の廣島庫夫の影響が大きく、旭化成陸上部からの勧誘を受けるも、農家の長男としての義務から入部を固辞していました。最終的には叔父の説得を受け、1959年に旭化成に入部。

現役時代には数々のマラソン大会に参加し、特に1965年には福岡国際マラソンで優勝するなど、頭角を現しました。オリンピックへの出場機会もありましたが、運がなく出場を果たすことはできませんでした。彼のトレーニングや技術は、時に効果を見たものの、果たして十分に結果として現れなかったのです。

指導者としてのキャリア

選手としての活動を終えた後、廣島は指導者としての新たな道を歩み始めます。旭化成の監督として、多くの優れた選手を育て上げ、特に宗茂、宗猛、児玉泰介、谷口浩美、そして女子では宮原美佐子など、その名声は計り知れません。

これらの選手たちは、全日本実業団駅伝での6連覇など、チームに多くの栄光をもたらしました。廣島は選手一人ひとりの特性を的確に見抜き、その能力を最大限に引き出す指導を行い、旭化成を陸上界の強豪へと育て上げました。

1988年には旭化成を退職し、沖電気の陸上部監督に就任。ここでも川上優子を発掘し、全日本実業団対抗女子駅伝での三度の優勝に貢献しました。選手との信頼関係を重視し、スポーツマンシップの根幹を大切にした指導が彼の特長でした。

晩年とつながり

2002年には沖電気陸上部の監督職を谷口浩美に譲り、総監督に就任。しかし、病を抱えるようになり、晩年は療養生活を送りながらも、選手たちの活動を見守り続けました。残念ながら、彼の生きを支えた沖電気陸上部は2009年に廃部となりました。

2009年10月23日、廣島は肺炎により71歳でその生涯を閉じました。彼の遺したものは、数々の選手たちの活躍と、陸上競技界における貴重な記憶として今なお受け継がれています。

主なマラソン記録

廣島の日出国は数多くのマラソン大会で好成績を収めました。彼の記録には、特に1966年の国際マラソンにおいて当時の日本国内最高記録を打ち立てたことが挙げられます。このように、彼の足跡は日本の陸上文脈において重要な足がかりとなっています。

関連書籍

彼の伝記として、『天に向かって走れ　広島日出国聞書』（著者 金子麻理、1999年）が出版されています。この書籍では、彼の人生や競技者としての姿勢、指導者としての哲学が詳細に描かれています。

廣島日出国は、選手にとってのロールモデルであり、指導者としても多くの功績を残した人物です。その影響は、今なお陸上競技界に息づいています。

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