延州 (陝西省)

延州（えんしゅう）は、中国にかつて存在した州であり、南北朝時代から宋代にかけて、現在の陝西省延安市一帯に設置されていました。

魏晋南北朝時代

513年（延昌2年）、北魏により設置された東夏州が延州の前身です。当時の東夏州は、遍城郡・朔方郡・定陽郡・上郡の4郡と、その下に置かれた9県を管轄していました。

554年（廃帝3年）、西魏によって東夏州は延州と改称されました。この改称が、延州としての歴史の始まりとなります。

隋代

隋代に入ると、延州は2郡9県を管轄するようになりました。583年（開皇3年）には、隋が郡制を廃止したことに伴い、延州に属していた遍城郡と文安郡が廃止されています。

606年（大業2年）には、延州は丹州を統合し、時期は不明確ながら夏州も統合したことで、管轄する県は17県にまで増加しました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止され郡が置かれるようになると、延州は延安郡と改称され、その下に11県を管轄することとなりました。

唐代

618年（武徳元年）、唐王朝によって延安郡は再び延州へと改められました。その後、742年（天宝元年）には延州は再び延安郡と改称されますが、758年（乾元元年）には再び延州へと戻されました。唐代の延州は関内道に属し、膚施・延長・臨真・敷政・金明・豊林・延水・延川・延昌の9県を管轄していました。このように、唐代においては延州と延安郡の名称が頻繁に変わっています。

宋代

1089年（元祐4年）、北宋の時代に入ると、延州はその重要性を認められ、延安府へと昇格しました。これにより、延州としての歴史は幕を閉じ、新たな府としての役割を担うことになります。

このように、延州は北魏時代にその前身である東夏州が設置されてから、隋、唐、そして宋代に至るまで、その名称や管轄地域、行政上の地位を変化させながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしました。その変遷は、中国の行政区画制度の変遷を理解する上で貴重な事例と言えるでしょう。

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