建部和歌夫

建部和歌夫について

建部和歌夫（たけべ わかお、1909年7月25日 - 1974年9月4日）は、日本の将棋棋士であり、八段の位を有した。彼は土居市太郎名誉名人に師事し、将棋の道を歩むこととなった。彼の出身地は東京府東京市（現在の東京都港区）である。

経歴

建部は、1925年に土居市太郎名誉名人の門下に入門し、将棋の技術を磨き始めた。1928年には関東奨励会に参加し、その道を本格的に進むこととなる。1930年には四段に昇段し、将棋界での地位を固めていく。

1936年、建部は全日本選手権で優勝し、名実ともに腕を証明した。この際、彼は他の棋士と共に「昭和の三銃士」と称されるようになる。彼の競技人生の中で、塚田正夫や坂口允彦と並ぶ存在となったことは、将棋ファンにとっても記憶に残る出来事であった。

戦争の影響で、満洲からの帰還が遅れたため、建部は第1期順位戦には参加できなかったが、その後1947年の第2期順位戦からはB級に参加し、競技の場に戻ることとなった。その後、1958年に引退を決意し、そのキャリアを終えることとなった。

建部は1974年に流動性悪性癌で他界し、享年は65歳であった。

人物

建部の弟子の一人に小野修一がいて、彼に将棋を教えたことでも知られている。河口俊彦は建部の棋風について、「典型的な旦那芸であり、序盤から中盤にかけては綺麗な手を指すが、終盤における粘り強さに欠け、逆転負けが多かった」と指摘している。このような特徴は、彼の将棋スタイルを知る上で重要な要素である。

結婚については、建部は当時25歳の時に五段として、小泉兼吉八段（後の小泉雅信八段）の妹と結婚。これにより、小泉は建部の義弟となった。将棋の世界以外にも、建部は俳句に趣味を持ち、寒紅を号して活動していた。水原秋桜子に師事するなど、文学的な側面も併せ持っていた。

昇段履歴

• - 1925年 - 入門
• - 1930年 - 四段昇段
• - 1932年 - 五段昇段
• - 1935年 - 六段昇段
• - 1940年 - 七段昇段
• - 1944年 - 八段昇段
• - 1958年 - 引退
• - 1974年 - 死去

主な成績

• - 全日本選手権優勝（1936年）

主な著書

建部は将棋に関する著作も多く手掛けており、いくつかの作品が将棋愛好者に支持されている。代表的な著書には以下のものがある。

• - 初学将棋読本（1939年、博文館）
• - 将棋の学び方（再版）（1950年、大阪屋號書店）
• - 新しい将棋手帖（1951年、大阪屋號書店）
• - しょうぎの勝ちかた（1956年、秋田書店）
• - 将棋入門（1967年1月、秋田書店）

建部和歌夫は、その棋士としてのキャリアや独自の人生観、俳句への思いなど、多くの面で将棋界に貢献し続けた人物である。

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