式守勘太夫 (5代)

5代式守勘太夫について

5代式守勘太夫（ごだいしきもりかんだゆう）は、1901年9月27日に青森県八戸市で生まれ、1984年5月18日に東京で亡くなった大相撲の元三役格行司です。本名は岡村熊太郎であり、彼の相撲人生は多岐にわたる経歴を持っています。彼の主な所属部屋は伊勢ノ海部屋、鏡山部屋、そして伊勢ヶ濱部屋です。

若い頃に伊勢ノ海部屋に入門した後、彼は5代鏡山（元幕下金木山）の養子となりました。しかし、1944年11月場所の終了をもって鏡山部屋は伊勢ヶ濱部屋に吸収されました。彼の初土俵は1913年1月で、その際「式守熊太郎」という名が付けられました。1926年には4代式守与之吉を襲名し、1933年には十両格に昇格、1938年には5代式守勘太夫を名乗るようになりました。

彼の昇進は続き、1940年5月には幕内格に昇格し、1951年5月には年寄・6代鏡山を襲名しました。この期間、彼は二枚鑑札として知られていましたが、1956年5月には三役格行司に昇格しました。1958年には二枚鑑札が廃止され、同年5月場所を最後に行司を引退しましたが、その後も年寄として業務を続け、1966年9月に停年退職を迎えました。

彼は相撲に関する書道技術でも高い評価を受けており、「名人」とも称えられました。特に、戦後の番付の書き手として多くの年月を担当しました（1952年1月から1966年9月まで）。また、彼が書いた作品は、2010年9月号まで発行されていた隔月刊誌「大相撲」の表紙題字としても用いられました。

さらに、事務的能力にも優れ、定年後も協会の嘱託として5年間活動しました。1984年に心不全で亡くなるまで、彼はいくつもの弟子や後進の指導にも尽力し、それらの中には7代勘太夫や7代式守錦之助、9代勘太夫などが含まれています。

彼の生涯には、1951年8月にブラジル邦人相撲連盟の招待を受けて、相撲指導のために渡伯したこともあり、国際的な相撲普及活動にも貢献しました。

5代式守勘太夫は、その端正な容貌や気品のある掛け声、そして厳正な軍配裁きで知られ、行司の模範として多くの人に尊敬されていました。彼の人生は相撲界における伝説的な存在となり、後世においてもその名は語り継がれることでしょう。

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