引田虫麻呂

引田虫麻呂の生涯と業績

引田虫麻呂（ひけた の むしまろ）は、奈良時代の貴族であり、姓は朝臣。彼は主に聖武天皇の治世下で活躍し、外交使節として重要な役割を果たしました。ここでは、彼の生涯や官歴、業績について詳しく解説します。

経歴の概要

引田虫麻呂は、神亀5年（728年）に初めて来朝した渤海使の首領、高斉徳を対応する任務を受けました。この際、彼の官位は従六位下でありました。2月には送渤海客使に任命され、その後6月に他の使者と共に渡海した功績が評価され、正六位上に昇進します。これにより、彼は第一次遣渤海使の正使として渤海に向かうこととなりました。

天平2年（730年）8月には帰国し、9月には聖武天皇に渤海からの進物を献上しています。このような外交的活動が、彼のキャリアにおいて重要な位置を占めていました。さらに、天平3年（731年）には外従五位下に叙せられ、主殿頭にも任命されました。

官位の昇進

引田虫麻呂の官位は、彼の活躍に応じて徐々に昇進しました。天平10年（738年）には斎宮長官に任命され、天平12年（740年）には聖武天皇の東国行幸に従い外従五位上に昇叙されることになります。

その後、天平13年（741年）には摂津亮に任命され、さらに天平15年（743年）には土佐守に就任。その後も活躍を続け、天平18年（746年）には従五位下（内位）及び木工頭に任ぜられるなど、彼の官歴は豊かになりました。

まとめ

引田虫麻呂は、奈良時代において特に外交面でその能力を発揮した貴族です。彼の昇進は、彼の外交上の功績や聖武天皇の信任によるものであり、当時の日本と渤海との関係を深める上で重要な役割を果たしました。また、彼は外交使節としての役割だけでなく、さまざまな官職を歴任し、内政にも関与することで貴族としての地位を確立していったのです。彼の業績は、奈良時代の政治的な動向に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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