弘世助三郎

弘世助三郎：日本生命保険の創業者

弘世助三郎（ひろせ すけさぶろう）は、天保14年（1843年）に生まれ、大正2年（1913年）に没した日本の実業家であり、政治家です。彼は、近江国彦根（現在の滋賀県彦根市）の素封家・川添家の次男として生を受け、後に弘世助市の養嗣子となりました。旧姓は川添です。

第百三十三国立銀行頭取としての活躍

弘世助三郎は、第百三十三国立銀行が創立されると、その取締役支配人に選ばれ、後に頭取に就任しました。彼の経営手腕によって、銀行は地域経済の発展に大きく貢献しました。

日本生命保険の創業

1889年（明治22年）、弘世助三郎は、大阪の鴻池善右衛門や岡橋治助ら関西財界の重鎮と協力し、有限責任日本生命会社（現在の日本生命保険）を創設しました。当時、日本の保険業界は黎明期にありましたが、彼の先見の明とリーダーシップによって、日本生命は急速に成長し、日本の保険業界を代表する企業となりました。

創業の背景には、当時の滋賀県知事であった中井弘の紹介で同県警察部長であった片岡直温を事業の片腕としたことがあげられます。

滋賀県会議員としての活動

1886年（明治19年）には、滋賀県会議員に当選し、政治家としても活動しました。彼は、地域社会の発展のために尽力し、県政の発展に貢献しました。

弘世家の家系

神一行著『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』によると、弘世家は嵯峨源氏の後裔で、由緒正しい旧家であったとされています。江戸時代に彦根城下に移り住み、商人として成功し、万延元年（1860年）の桜田門外の変以降、彦根藩の御用金役を務めた家柄でした。

まとめ

弘世助三郎は、銀行家、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に大きく貢献しました。特に、日本生命保険の創業は、日本の保険業界の発展に大きな影響を与え、彼の功績は後世にまで語り継がれています。

参考文献

神一行 『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』（角川書店、2002年）303-315頁
『日本の創業者 近現代起業家人名事典』（2010年、編集・発行 - 日外アソシエーツ株式会社）323-324頁

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