弘経寺 (常総市)

弘経寺（ぐぎょうじ）

弘経寺は、茨城県常総市豊岡町甲に位置する浄土宗の寺院です。寿亀山と号し、天樹院という院号も有しています。本尊は阿弥陀如来です。

歴史

1414年（応永21年）、名越流北条氏の一族で、増上寺の開山である聖聡の弟子であった嘆誉良肇（たんよりょうちょう）によって、下総国岡田郡飯沼村（現在の茨城県常総市）に創建されました。良肇は僧侶の教育に力を注ぎ、弘経寺は多くの名僧を輩出しました。

二世の松平氏宗家第四代松平親忠が開基した大恩寺の開山である了暁（りょうぎょう）慶善、弘経寺三世の曜誉酉冏（ようげい）、徳川将軍家菩提寺である大樹寺の開山である勢誉愚底（せいよぐてい）、知恩院22世の周誉珠琳（しゅりん）、松平氏宗家第三代松平信光が開基した信光明寺の開山である釋誉存冏（しゃくよそんげい）などが、この寺で学びました。

その後、北条氏と対立していた下妻城主の多賀谷重経の陣が寺内に置かれたことで、戦火に見舞われ、寺は荒廃しました。しかし、徳川家康の次男である結城秀康が開基となり、結城弘経寺（茨城県結城市）として再建されました。家康からも信仰されていた10世の了学によって再興され、江戸時代には浄土宗の檀林が置かれました。了学から五重相伝を受けた千姫からは、本堂の寄進を受けました。

文化財

弘経寺には、数多くの文化財と史跡が残されています。以下に主なものを紹介します。

市指定文化財

山門
鐘楼
本堂
経蔵
扁額
金銅阿弥陀如来立像：金色の輝きを放つ阿弥陀如来の立像。
紺紙金泥阿弥陀経：紺色の紙に金泥で書かれた阿弥陀経。
紫龍石の硯：紫色の龍の模様が美しい硯。
鉄切付盛上黒漆碁石頭縹糸素掛威二枚胴具足:鉄製の鎧。
千姫姿絵：千姫の姿を描いた絵画。

市指定史跡

千姫の墓：千姫の墓。

市指定天然記念物

弘経寺のスギ：境内にそびえ立つ巨大な杉。

関連項目

関東十八檀林：関東地方にあった浄土宗の檀林。

脚注

外部リンク

弘経寺

もう一度検索