張休

張休（ちょう きゅう）

張休（ちょう きゅう）は、中国三国時代の呉に仕えた人物で、字は叔嗣（しゅくし）。徐州彭城国（現在の江蘇省徐州市）の出身で、父は呉の重臣であった張昭（ちょうしょう）、兄は張承（ちょうしょう）です。

生涯

20歳頃、呉王孫権（そんけん）の太子であった孫登（そんとう）の側近として、諸葛恪（しょかつかく）、顧譚（こたん）、陳表（ちんぴょう）と共に取り立てられました。孫権の命により、父である張昭から『漢書』の解釈を学び、それを孫登に講義する役目を担いました。孫登は身分の低い者に対しても分け隔てなく接し、張休らとは同じ車に乗り外出したり、同じ几帳の中で寝たりするなど、親密な関係を築きました。中庶子（ちゅうしょし）の官を経て、黄龍元年（229年）に孫登が皇太子に立てられると、右弼都尉（ゆうひつとつい）に任じられ、張休ら4人は「太子四友」と称されました。

孫権が狩猟に出かけることを諫める上疏（じょうそ）を提出した際、その文章が優れていたため、孫権は張昭に見せて称賛しました。嘉禾5年（236年）に張昭が亡くなると、兄の張承が既に功績を立てて爵位を得ていたため、張休が父の爵位を継承しました。

赤烏4年（241年）4月、芍陂（しゃくひ）の役において、魏の王淩（おうりょう）と対戦した呉軍は劣勢に立たされましたが、張休と顧承（こしょう）が奮戦し、敵の侵攻を食い止めました。この時、全緒（ぜんしょ）や全端（ぜんたん）といった将も活躍しましたが、張休ほどの評価は得られなかったため、全琮（ぜんそう）ら全氏一族の恨みを買うことになります。

同年5月、孫登が亡くなると、父の孫権に遺言を託し、その中で張休を「頭脳明晰で的確な判断を下し、宮廷にあっては主君の腹心、地方に出ては主君の手足となれる」人物の一人として称え、重用するよう進言しました。太子府を離れた張休は、侍中（じちゅう）、羽林都尉（うりんとつい）を経て、揚武将軍（ようぶしょうぐん）に昇進しました。

赤烏5年（242年）正月、姪（兄の張承の娘）の夫である孫和（そんわ）が立太子されます。しかし、8月にその弟の孫覇（そんは）が魯王（ろおう）に立てられると、以降は両者の後継者争い（二宮事件）に巻き込まれていくことになります。病床にあった孫権の代行として、孫和が宗廟（そうびょう）で祭祀を行った際、その近くに住んでいた張休は孫和を自宅に招きました。孫権の娘である孫魯班（そんろはん）は、孫和の母である王夫人（おうふじん）と対立していたため、この件を「孫和は祭祀を行わず、妃の実家で謀議を凝らしている」と孫権に讒言しました。これにより、孫権の孫和に対する寵愛は薄れていきました。

全氏一族をはじめとする孫覇の派閥から、芍陂の役での功績を捏造したと訴えられた張休は、交州（こうしゅう）へ流罪に処されました。さらに、以前から対立していた孫弘（そんこう）の讒言を受け、赤烏8年（245年）に自殺を命じられ、41歳で生涯を終えました。

人物評価

孫登は、張休を非常に高く評価しており、その才能を惜しんでいました。しかし、二宮事件に巻き込まれたことが、彼の運命を大きく狂わせる結果となりました。

家系図

●張昭
┣━━━━━┓
張承　張休　張奮
┣━━┓
張震　孫和妻

出典

陳寿『三国志』 巻52 呉書 張昭伝附 張休伝

注

* この記述には、三国志の内容を元にしたフィクションが含まれています。史実と異なる可能性がありますのでご了承ください。

もう一度検索