張健

張健（ちょう けん）

張健（生年不詳 - 329年）は、東晋初期に活躍した軍人です。『晋書』には張謹として記録されています。彼は蘇峻の乱において、蘇峻軍の中核として重要な役割を果たしましたが、最終的には追討軍に敗れて命を落としました。

生涯

張健は、東晋の冠軍将軍であった蘇峻に仕えていました。咸和2年（327年）10月、蘇峻が歴陽で東晋に対して反旗を翻すと、張健は蘇峻軍の中心人物として活躍しました。

同年12月、蘇峻は張健と韓晃らに命じて姑孰を攻撃させました。彼らは姑孰を攻略し、塩や米などの物資を接収することに成功しました。この姑孰の陥落は、当時の中書令であった庾亮に大きな衝撃を与えたと伝えられています。

咸和3年（328年）5月、会稽内史の王舒と奮武将軍の庾冰が蘇峻に対抗するための兵を挙げました。呉興郡太守の虞潭、呉国内史の蔡謨、前義興郡太守の顧衆らが彼らに呼応し、兵を率いて合流しました。この知らせを受けた蘇峻は、張健、管商、弘徽らに討伐を命じました。張健らは晋陵に侵攻し、虞潭らの軍と一進一退の攻防を繰り広げました。馬雄と共に、庾冰らの軍の前鋒と無錫で交戦し、勝利を収めました。その後、張健らは敵地に侵入し、府舎を焼き払い、各地で略奪を行いました。

王舒らは軍の再編を行い、張健らとの対決に備えました。張健は前鋒軍を破り、姚休を討ち取る戦果を挙げましたが、紫壁に撤退しました。その後、王舒らと再び戦い、張健は曲阿に退却しました。張健は馬雄、陶陽らを迎撃に向かわせましたが、2千もの兵を失う大敗を喫してしまいました。

同年9月、張健は韓晃らと共に大業の塁を攻めました。塁の中は水が不足し、将兵たちは糞汁を飲むほどの困窮した状況でしたが、守りは堅く、攻撃はなかなか成功しませんでした。

同年10月、蘇峻が死去したという知らせを聞き、張健は軍を率いて石頭に引き返しました。

咸和4年（329年）2月、追討軍が石頭に攻め込んできました。蘇碩が勇敢に戦ったものの討ち取られると、張健らは大いに恐れ、曲阿へと逃れました。その途中、蘇逸が李湯に捕らえられ、殺害されました。その後、軍の指揮は張健が執ることになりました。弘徽らが反逆を企んでいると疑った張健は、彼らを殺害しました。

その後、舟で延陵から呉興に入りましたが、追ってきた揚烈将軍の王允之との戦いに敗れ、男女1万余りを奪われました。張健は韓晃、馬雄らと共に軍を率いて故鄣へ向かいましたが、郗鑒は李閎を派遣して追撃させました。両軍は平陵山で激突し、蘇峻側は壊滅、張健は討ち死にしました。

参考文献

『晋書』巻7、巻67、巻73、巻76
『資治通鑑』巻93 - 巻94

関連項目

* 蘇峻の乱

もう一度検索