張君勱

張君勱の生涯と業績

張君勱（ちょう くんばい、名は嘉森）は、中華民国の著名な政治家、教育者、ジャーナリストであり、哲学者としても知られています。彼は新儒家の一人としての位置づけられ、梁啓超との交流が特に知られています。家族には、政治家として活躍した弟の張公権と、詩人の徐志摩と一時期結婚していた妹の張幼儀がいます。

教育と初期の活動

張君勱は、幼少期から教育に力を入れ、10歳で上海広方言館に入学しました。彼は変法派思想に影響を受け、1902年には秀才となった後、南京高等学堂に進学しました。しかし、後に彼が拒俄義勇隊の一員であったことが学校側に知られてしまい、退学処分を受けます。その後、湖南省に移り、長沙明徳学校や常徳師範学堂で教職に就きました。

1906年には公費で日本に留学し、早稲田大学で学びました。在学中に彼はドイツ語も学び、梁啓超や張東蓀と出会い、政治活動を始めることになります。1909年には雑誌『憲政新志』を創刊し、立憲派の声を広めました。1910年には早稲田大学を卒業し、中国に帰国します。

北京政府での貢献

辛亥革命後、張君勱は宝山県議会議長に就任し、1912年には共和建設討論会を結成しました。彼はその後、民主党の結成にも関与しました。1913年からドイツで国際法や政治学を学び、帰国後は護国軍に参加し、さまざまな政治的活動を展開しました。

護国戦争後は、安徽派を支持しながらも、直隷派の指導者である馮国璋からの招聘を受け入れました。この時期、張君勱はさまざまな政治的立場を取りながら、教育やジャーナリズムでの影響力を強めていきます。

教育と思想形成

張君勱は1920年代にヨーロッパに渡り、哲学者ルドルフ・オイケンやアンリ・ベルクソンから学びました。これにより、彼の哲学的な基盤が形成されます。帰国後は、憲政の重要性を訴える『国憲論』を執筆し、中国国民党の独裁的な政治に反発しました。

1930年代には中国国家社会党の設立に関わり、国家社会主義を提唱しました。この党は、「絶対的愛国主義」や「漸進的社会主義」を掲げ、国民の参加を促す運動を展開しました。

戦争と政治変革

1937年の日中戦争の勃発後、張君勱は蔣介石のもとでの活動に転換し、国家社会党を公開政党としました。彼は憲政施行の準備を進め、さらに国際的な場でも活動を広げました。1941年には中国民主政団同盟に加入し、国際連合憲章の起草にも参加するなど、外交的な役割も果たしました。

最晩年の活動

国共内戦時には一時的に姿勢を変えつつ、晩年はインドやアメリカで教育活動を続けました。彼は国際的な講演を通じて孔子や孟子の思想を広め、反共思想の普及にも努めました。1969年にサンフランシスコで亡くなるまで、彼は長い間、学問と思想の発展に寄与し続けました。

張君勱の生涯は、単なる政治活動にとどまらず、中国の教育や思想界に深い影響を与えたことが特筆されます。

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