新儒家

新儒家の概念と背景

新儒家（しんじゅか）は、儒学を現代的な視座から解読し、西洋哲学と接合を試みる学者や思想家の集まりを指します。これは主に、現代の中国語圏において重要な思潮の一つとされ、宋明理学（Neo-Confucianism）とは明確に区別されています。この新しい儒学の流れは、しばしば「現代新儒学」または「当代新儒学」と称されます。

趣旨

新儒家の登場は、中国の民国期における新文化運動と密接に関連しており、全般的な西洋化の流れの中で、中国の伝統文化が持つ価値を再評価し、その理解を広めようとする学者たちが現れました。彼らは、儒教に限らず、仏教や道教など、儒・釈・道の三つの思想に対して新たな解釈を提供し、それらを西洋の学問、特に西洋哲学と結びつけて、中国の伝統文化の価値を現代に生かそうと努力しています。

新儒家にカテゴライズされる思想家たちの活動は、中国本土だけでなく、香港、台湾、さらには海外にも及び、彼らの見解は時に政治的・文化的な背景によって複雑に絡むため、一口に新儒家あるいは現代新儒学と言っても、その定義や評価は一様ではありません。

分類

新儒家は、地域的に分けることができます。中国大陸の共産党政権下では、熊十力や馮友蘭が代表的な思想家とされ、香港や台湾に焦点を当てると、唐君毅や牟宗三が挙げられます。また、非中国語圏、例えばアメリカにおいても、杜維明や余英時といった新儒家が活動しています。

世代別に見ると、第一世代（1921年から1949年）は、熊十力や梁漱溟などが含まれ、第二世代（1950年から1979年）には方東美や唐君毅、牟宗三がいます。第三世代（1980年以降）には、成中英や杜維明、余英時などが存在します。ただし、銭穆とその弟子である余英時は、自身を新儒家とは違う思想史家と位置付けているため、時に新儒家の枠外に置かれます。

評価

新儒家の歴史的な行動として特筆すべきは、香港を拠点に活動した四名の思想家、張君勱、唐君毅、牟宗三、徐復観が連名で発表した「為中國文化敬告世界人士宣言」です。この声明は、中国文化を発揚し、同時に反共の姿勢を打ち出したものであり、以前は保守思想の代表例として扱われていました。しかし現在では、共産党政権下の中国においても、香港や台湾での新儒家の著作は広く流通し、多くの読者に親しまれています。

日本語文献

新儒家関連の日本語文献も多く、例えば、馮友蘭の『中国哲学史』（1995年訳）、熊十力の『新唯識論』（2004年訳）、杜維明の論文などが挙げられます。また、研究者による新儒家哲学の解説書もいくつか存在し、島田虔次や中村俊也による著作が特に知られています。

関連項目

新儒家は中国哲学における重要な一派であり、また他の学問領域における接点を持つため、多様な視点から研究されています。中国の哲学や論理学、中華民国の思想などと関連してその影響を探ることは、現代の文化理解において重要です。

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