張純の乱

張純の乱

張純の乱（ちょうじゅんのらん）は、後漢末期、187年から189年にかけて発生した反乱で、張純という人物が中心となりました。これは、当時の後漢王朝の中央政権が弱体化していた時期に起こった重要な出来事です。

背景

184年に起こった黄巾の乱は、後漢王朝の統治機構を揺るがし、その結果、各地域の郡太守が権威を失う事態を招きました。この影響は特に中国の東北部、幽州にも及びました。幽州では、当時元中山太守を務めていた張純や、烏桓族の丘力居が重要な役割を果たしていました。丘力居は、黄巾の乱を機に次第に後漢からの独立を模索していたのです。

反乱の勃発

張純は「弥天安定王」を名乗り、それを旗印に丘力居と共に反乱を企てました。こうして誕生した張純・丘力居連合軍は、青州、徐州、幽州、冀州などの地域で大規模に活動し、当時の中央政権に不満を持つ漢民族も加わって、反乱軍の総勢はほぼ10万人に達すると言われています。

おさめ方

朝廷は、この大規模な反乱を鎮圧するために中郎将の孟益を派遣しました。孟益は、公孫瓚という有力な武将と共に反乱軍平定へ乗り出しました。彼らは石門合戦で張純を破り、一時的な勝利を収めましたが、反乱を完全に鎮静化するには至りませんでした。

そこで、朝廷は皇族の劉虞を幽州牧に任命し、さらなる平定を試みます。劉虞は丘力居を懐柔し、張純との仲を引き裂く策を講じました。劉虞はもともと人望の厚い指導者であったため、丘力居は彼に帰順しました。これにより張純は孤立し、逃亡を余儀なくされ、女真族のもとへ逃げ込みました。

189年3月、彼は食客の王政によって殺害され、これにより張純の乱は平定されました。

影響とその後

この反乱の結果、正史において公孫瓚は自らの功績を劉虞に奪われることを懸念し、劉虞と丘力居との交渉を邪魔しました。この動きが、後に彼が多くの批判を受ける一因となったのです。特に、陳寿は公孫瓚を「州郡を治める立場にありながら、かえって平民にも劣る者」として酷評しました。

張純の乱は、公孫瓚と劉虞の間に対立を生むきっかけとなり、その後の動乱への道を開くこととなったのです。このように、張純の乱は後漢末期における政権内外の緊張を象徴する重要な事件として記憶されています。

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