張難先

張 難先（ちょう なんせん）

張難先は、中華民国時代の政治家で、中国国民党の一員として知られています。彼の本名は輝灃または紹良ですが、一般には字の難先で親しまれています。号は義痴です。彼のキャリアは多岐にわたり、教育、政治、行政と様々な分野で活躍しました。

初期の活動

張難先は、商家に生まれました。彼の政治活動のきっかけは、1904年に宋教仁と出会ったことに始まります。その後、「科学補習処」を設立し、革命派の活動に関与しました。しかし、革命計画は失敗に終わり、彼は故郷に逃げ込むこととなりました。再度の蜂起を試みたものの、失敗し投獄されますが、病気を理由に保釈されます。その後、故郷で教育事業に関わるかたわら、革命思想を広める活動を続けました。1911年の武昌起義にも参加しましたが、同志との対立もあり、その活動を続けることが難しくなりました。

中華民国が成立した後、張難先は教師として活動し、政治活動は当初お休みの状態でしたが、1918年には孫文の護法運動に参加することになりました。しかし外交部長の伍廷芳の方針に不満を持ち、辞職して再度故郷に戻ることとなります。1920年に北京へ移り、当時の著名な知識人たちと親交を結び、さらなる活動を続けていきます。

行政官としての活躍

1923年には、李済深の招きで広東省に赴き、行政や教育に関わります。さらに翌年、中国国民党の全国代表大会に参加し、政治的な地位を確立していきました。1926年、張難先は広西省での職務に就き、海南島の行政に携わります。この時期、彼の治績は好評であり、行政改革に貢献しました。1929年、蔣介石との権力争いが激化する中、張難先と張知本は共に失脚することとなります。

1930年には浙江省政府主席に任命されました。この地位で彼は抗日戦争に備える活動を行いましたが、蔣介石に反感を持たれ、再び罷免される結果となります。その後、中国共産党の討伐に従事するものの、内部の対立が続き、最終的には再度故郷に帰ることを決心します。

和平推進とその後

日中戦争が発生すると、張難先は政界に復帰。その後湖北省民政庁の長をつとめ、共産党とのコンタクトを深めていきました。1948年には和平促進委員会を結成し、国共内戦の反対運動を推進します。翌年には中国人民解放軍によって武漢が占領されると、彼は新しい政権の一部として迎えられ、中央人民政府の委員となります。

1950年には中南軍政委員会の副主席に任命され、1954年には全国人民代表大会常務委員に選出されました。彼の政治活動はその後も続き、重要な役職に就いていましたが、1968年に北京で95歳の生涯を閉じました。

張難先の生涯は、教育から革命活動に始まり、行政改革や和平活動に至るまで、様々な分野での功績に満ちています。彼の貢献は、中華民国の歴史においても大きな影響を与えました。

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