当道座

当道座とは

当道座（とうどうざ）は、中世から近世にかけて日本に存在した男性盲人の自治的な職能互助組織です。この組織は、室町時代以降に幕府によって公認され、特定の職能集団が形成したものでした。当道という言葉は、特にこのような盲人の自治組織を指します。初めは琵琶法師たちが自身の芸道や活動を「当道」と称したことから始まり、後に鍼灸や導引、箏曲、三弦などの団体が組織化されました。

組織の成立

この当道座は、明石覚一という人物によって組織化されたとされ、彼により座は6つの派に分かれました。この時、検校、別当、勾当、座頭という4つの官位が確立し、それぞれ16階と73刻みの位階が整備されました。この制度において、官位自体は私官でありました。残念ながら、明治4年（1871年）にこの制度は廃止されました。

歴史的背景

仁明天皇の子である人康親王は盲目でしたが、山科に隠遁し、盲人たちを集めて琵琶や詩歌を教えました。親王の死後、彼に仕えていた者に官位が与えられ、検校が最高位となりました。さらに、寛永11年(1634年)には『当道要集』が編纂され、親王が祖神として崇められ、2月と6月には祭祀が行われていたことが記述されています。この伝承には、親王の存在を利用した創作との見方もあります。

盲人文化と演奏者

鎌倉時代に入ると、『平家物語』が流行し、多くの盲人がこれを演奏するようになりました。これに伴い、平家座頭が村上源氏中院流の庇護の下で活動することになりました。室町時代には、検校明石覚一が『平家物語』のスタンダードな版本をまとめ、足利一門からの庇護を受けて当道座を開きました。江戸時代には本部が「職屋敷」と称され、京都の佛光寺近辺に設置されました。

官位とその運用

当道座の官位には、盲官と呼ばれる74階層が存在しました。官位を取得するためには、京都にある当道職屋敷に「官金」と呼ばれる多額の金銭を持参する必要があります。これにより、官位が付与され、高官と低官の官位に応じた施し物の受け取りが慣行となっていました。

同時に、江戸幕府は当道座を組織し、統括する惣禄屋敷の検校に自律的な権限を与え、一定の裁判権も認めました。なお、当道座は男性の盲人のみが属することができ、女性のための組織としては瞽女座が存在しました。また、盲僧座という別の組織もあったため、時に対立する場面も見られました。

入会した盲人は、しばらくの間、ガマズミで作られた白木の杖を使用し、竹の杖を使うことは禁止されていました。杖の長さは約151.5㎝と定められ、装飾や金具の使用も制限されていました。これらの規定は、当道座の文化と風習を形作る重要な要素でした。

この記事は、当道座の歴史とその文化、官位制度の詳細を掘り下げ、当道座が日本の盲人社会にもたらした影響について考察したものです。

もう一度検索