彦坂光正

彦坂光正

彦坂光正（ひこさか みつまさ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武士です。

生涯

永禄8年（1565年）、三河国の国人で今川義元に仕えた彦坂成光の嫡男として誕生しました。

今川氏の没落後、同族の彦坂元正の仲介によって徳川家康の家臣・本多康重の同心となり、主に奉行として活躍しました。天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いなどで功を挙げました。慶長年間頃には、東三河や尾張国での卓越した行政手腕が評価され、慶長14年（1609年）に井出正次と共に駿府町奉行に任ぜられました。

駿府町奉行としては、城下の町方支配を初め、新田開発、伝馬制度の確立、寺社領の寄進や年貢取立てなど多岐にわたる業務を担当しました。その行政手腕は高く評価され、後には伊豆国や近江国なども任されることとなりました。

地方行政官としての活躍に加え、岡本大八事件や大久保長安事件などでは調査や処罰を受け持ち、大坂の陣の口実になった方広寺の鐘銘を作った文英清韓を拘禁するなど、多くの政治的事件にも関わりました。また、この頃に拷問法の一つである駿河問い（駿河問状）を考案したとされています。

家康の死後は駿府町奉行職が廃止されたこともあり、2000石余から3000石に加増され、安藤直次らと共に当時駿河国駿府藩主であった家康の十男・徳川頼宣の家老となりました。後に頼宣が紀伊国和歌山藩に移封されると、これに従い年寄衆を勤め、紀州東照宮の建立などで活躍しました。

寛永9年（1632年）2月、年寄職を致仕して和歌山を去り、天海に依頼して家康の眠る日光東照宮へ入りましたが、直後に急死しました。自害したとも伝えられています。

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